竹あかりアートプロジェクト
8月24日(土)、8月25日(日)に多井畑厄除八幡宮(須磨区多井畑)にて竹あかりアートプロジェクトが開催され、約3,000人の来場者が訪れた。(主催/神戸市)
770年に創建された日本最古の厄除けの霊地として知られる同神社で、多井畑から切り出した竹を使い、幻想的なアートイベントが開催された。
展示された竹あかりアートは、日本初・世界初の竹あかり総合プロデュース集団「CHIKAKEN」がコーディネートした。同集団は熊本城のライトアップや広島で行われたG7サミットなどでも竹あかりの演出を手掛けており、全国各地で活躍している。
企画・運営は多井畑西地区・魅力発信共同企業体。今回はまず多井畑西地区の竹林を知ってもらい、手入れをすることで里山を保全していく活動にも注目してもらいたいとイベント開催に踏み切った。
増えすぎると問題となってしまう竹だが、近年、サステナブルな素材として、竹工製品、竹炭など今までの使い方だけでなく、紙の原料やプラスチックの代わりなど新しい使い方が見出されている。
イベントに先がけ、8月20日(火)から多井畑自治会館において、制作ボランティアが毎日15人ほど集い、作品のベースとなる竹への穴あけ作業や、LEDライトの装着作業、組み上げ作業を行った。
須磨区からボランティアとして参加した常岡美穂さんは「竹の節をとる作業は苦労しました。開けた穴から手を入れて、LEDを装着する作業は光の向きに気をつけながら行いました。一緒に作業した仲間もいい人ばかりで楽しかった」と展示された作品を見ながら感慨深そうに話した。 ボランティアとして2日間参加した須磨区の中本智子さんは、イベント当日は家族とともに浴衣で参加した。幹人さん(5歳)、蒔人ちゃん(3歳)も初めて見る竹あかりを覗き込んだり、下から見たりと楽しそうな様子。
制作と並行して、8月20日(火)~23日(金)には小学生向けのワークショップも開催された。参加者は花火、花、月、星などのデザインの中から自分が作りたい灯籠を選び、竹にドリルで穴を開けて作成する。デザインの設計図である型紙を竹に貼り付け、穴の大きさごとに使用するドリルを変えながら慎重に穴を開けていった。
幼馴染み3人とワークショップに参加した西舞子小学校の早田海琉さん(10歳)は「竹に穴を開ける時、大きい穴より小さい穴を開けるのが難しかった。親指が痛くなったけど頑張った。完成して神社に飾ってもらえてうれしい」と本殿近くに飾られた竹灯篭を誇らしげに指差しながら語った。子どもたちが作成した竹灯篭は神社入口から本殿へ向かう階段の中央に並べられ、優しい灯りで来場者を出迎えた。
イベントプロデューサーの宮迫嘉徳さんは、「制作ボランティアがどのくらい集まってくれるか分からず不安でしたが、地域の方をはじめ、たくさんの方に集まっていただき、皆さん手際よく作業を進めてくださったお陰で予定より早く準備が進みました。来年もまた開催してほしいとの声もいただき、何よりうれしいです」と話し、竹あかりと来場者の賑わいに目を細めた。