妙法寺コトノハこども食堂 KIDSサマーカフェ
8月4日(日)、築200年の古民家をリノベーションしたカフェ「古民家コトノハ」(須磨区妙法寺)にて、「KIDSサマーカフェ」が開催された。
このイベントは、毎月第1木曜日に古民家コトノハで開かれている「妙法寺コトノハこども食堂」を利用している子どもたちが企画。近隣にある神戸女子大学家政学部管理栄養士養成課程の学生たちの協力を得て、日頃食材を提供してもらっている商店や、世話になっている地域住民に楽しんでもらいたいと1日限定のカフェを開いた。
当日を迎えるまでに、まず5月の子ども食堂の際に第1回の作戦会議が設けられた。カフェの名前をどうするか、どんなメニューを提供するかなどを話し合った。6月には、お祭りらしく子どもたちが楽しめる遊びや、広報のやり方について打ち合わせをした。チラシ作成を担当した子どもは、パソコンを使って初めてのチラシ作りに挑戦。でき上がったチラシを商店や、学校の先生、児童館、ふれあいのまちづくり協議会に届けた。手描きの招待状を作成したり、オリジナルの看板を作ったり、できるだけ多くの人に来店してもらえるよう、子どもたちは一人ひとりが自分ができることを見つけ取り組んだ。
7月には夏野菜を購入に行き、メニューの目玉である「夏やさいカレー」の試作品作りを行ってメニューを完成させた。魚釣りの遊びで使用する魚も子どもたちが手作りで作成した。
数カ月間準備を重ね、ついに迎えた当日は朝から準備で大忙し。オープンの時間に間に合うのかドキドキしながらも、無事用意が整い〝お客様〟を迎えることができて、子どもたちの顔には笑みが溢れた。
オープン後は招待状を受け取った地域住民らが続々と駆けつけた。学校の先生もこの日はカフェの〝お客様〟。子どもスタッフたちが緊張しながら、注文をとったり、代金を計算してお金のやり取りをする姿を微笑ましく見守った。子どもたちが作るかき氷を注文した地域住民の女性は「人生で初めて、ブルーハワイ味のかき氷に挑戦してみたけど、おいしかったわ」と完食。
兄妹で参加し、販売メニューのフランクフルトを担当した坂岡翔空さん(11歳)は、「フランクフルトは形が丸いからうまく全体を焼くのが難しかった。皿洗いも忙しかったけど、全部売り切れたのがうれしかった」と笑顔をみせた。妹のせりあさん(10歳)は、「招待した人が来てくれて、おいしいと言って食べてくれたことがうれしかった。具材を切ったり、注文を受けるのは大変だったけど、頑張った」と話した。
神戸女子大学の安田准教授は「将来栄養士を目指す学生の中でも特に子どもの食育や子ども食堂に関心がある学生が参加しています。子どもたちとともに今回のような企画に参加できたことは、これから就職し、社会にでていく学生にとっても、貴重な体験になります」と語った。
古民家コトノハの小田さくらさんは「夏休みに子どもたちにお店の運営体験をしてもらいたかった。地域の方々との関わりを深め、応援してくれる人が増えたらうれしい」と語った。
用意した夏やさいカレー70食をはじめ、フランクフルト、かき氷などすべてのメニューが完売。子どもたちの夏休みの挑戦は大盛況で幕をおろした。