弘前ねぷたin神戸2024
5月31日(金)~6月2日(日)、神戸ハーバーランド高浜岸壁(中央区東川崎町)で「弘前ねぷたin神戸2024」が開催され連日多くの人が訪れ、熱気に満ちあふれた。(主催/青森県弘前市)
青森県弘前市の夏の伝統行事「弘前ねぷた」が神戸で繰り広げられる同イベントは、2020年にフジドリームエアラインズによる神戸~青森間の直行便が就航したことを受け、2022年から毎年開催している。国の重要無形民族文化財に指定されている「弘前ねぷた」の魅力を周知し、毎年8月1日~7日に弘前市内で開催される「弘前ねぷたまつり」への誘客を図っている。
日が落ちて、照明が点灯すると迫力あるねぷた絵が浮かび上がり幻想的な雰囲気に包まれた。ねぷたは高さ約8m、幅約7mの扇形で鏡絵(表面)は戦国武将や中国の三国志、水滸伝(すいこでん)を題材にした勇ましい武者絵、見送り絵(裏面)は優美な美人画という対照的な趣を持つ2つの絵が描かれている。また、ポートタワーやモザイクの大観覧車など神戸をモチーフにした小型のねぷたも特別に制作された。3年目を迎えた今年は初めて練り歩きが行われ、法被(はっぴ)に身を包んだ引き手たちが岸壁沿いの往復約400mを太鼓や笛のお囃子が響き渡る中、ゆっくりと練り歩いた。「ヤーヤドー!」と力強い掛け声とともにねぷたが上下昇降や回転すると観客たちから大きな歓声と拍手が起こった。
会場ではねぷたの展示のほか特産品販売も行われ、青森県産のりんごを使用した酸化防止剤不使用のりんごジュースを求めて行列ができていた。弘前観光PRのブースではSNSのフォローをすると実際に運行した山車からねぷた絵を切り取り作成したしおりがプレゼントされた。暗闇に華やかな色彩が浮かぶ夜間とは違い、日中はねぷた絵の繊細な色使いが鮮明に見える。青空と海をバックに写真を撮る来場者も多く、昼夜それぞれ楽しむことができた。垂水区の新井大輔さんは「美しくて迫力があって圧巻でした!素晴らしくて動画も写真もたくさん撮りました」と興奮気味に話した。
弘前市観光部主事の加藤吉晃さんは「過去2回はポートタワーが改修中だったので初めて神戸でポートタワーを背景に弘前ねぷたをお見せすることが出来ました。青森へのアクセスが容易になったので弘前ねぷたまつりにぜひお越しください」と呼びかけた。
鏡絵
見送り絵