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“おとなの小学校”特別編『映画入門講座』

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閉校された小学校に地域住民が集う拠点として開設された、ふたば学舎(長田区二葉町)で5月19日(日)、「おとなの小学校特別編『映画入門講座』」が開催され25人が参加した。

講師は、映画監督・脚本家の安田真奈さん。この日は「ミニ脚本講座」と題し、安田さんの短編映画『こじらせて屋上(8分)』や『あした、授業参観いくから。(23分)』などを上映し解説しながら、ワークショップ形式で行われた。

脚本(シナリオ)は、映像にするための設計図であり、柱(場所、時間)、ト書き(状況や人物の動き)、台詞(登場人物が話す内容)から構成される。映画を構想する際は、テーマやジャンル、魅力的なキャラクター、観客を飽きさせない物語の流れなどを設定。「面白い映画にするには、物語に『枷(かせ)』があるかどうかです」と安田さん。枷とは、主人公が最終目的に向かう行動にとっての障害や葛藤。「例えば『桃太郎』のお話は平坦で枷がないので、ハラハラしないんです。書き直してみると面白いですよ」と話す。主人公の行動にいかに観客を引き付けられるかが大切なので、脇役を目立たせすぎるのはよくないとのこと。また、面白い映画を観た後に短い文章にまとめると、物語のアウトラインを把握しやすくなるという。

同じ台詞でも、ト書きを変えるとどのように変化するのかを、参加者で読み合わせを行ってから、『あした、授業参観いくから。』を鑑賞。同作品は、まったく同じ7つの台詞をまったく異なる5つの家庭で繰り返す実験的短編映画。教室のロケ地は、ふたば学舎で、授業参観の場面ではカメラマンのアイデアにより長回しを取り入れた。映画制作には、いろいろな分野の人が携わるので、「うまくその方向性が合うと良い映画になります」。

講座が終わると、『あした、授業参観いくから。』ロケ地の教室に移動し、座談会が開かれた。執筆前には綿密な取材をし、撮影前にはイメージにあうロケ地や衣装をスタッフと相談することなど撮影の裏話が披露され、『こじらせて屋上』ロケ地であるふたば学舎の屋上を見学して終了した。

フリーランスの俳優という永治結宇美(ながじ ゆうみ)さん(明石市・30歳)は「脚本の観点から演技に繋がる貴重な話が聴けました」と微笑む。「ショートフィルムを鑑賞しながらの講座は実に分かりやすい。先生の作品に私も出演したいです」と話すのは、64歳で俳優デビューしたという木髙健二さん(淡路市・65歳)。

同講座次回は、8月18日(日)に開催予定。NPO法人ふたばの内屋敷保主任は「次回は俳優・田中要次さんをお迎えした講座を予定していますので、奮ってご応募ください」と呼びかけている。詳細はHPで確認を。https://futabasyo.jp

講師の安田真奈さん

安田さんの監督・脚本映画を観ながら解説

映画ロケ地であるふたば学舎の屋上を見学

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