国際盲導犬デー
4月29日(月・祝)、湊川公園(兵庫区荒田町)で「国際盲導犬デー」が開催された。会場にはさまざまな飲食ブースなどが立ち並び、ステージでは音楽の演奏やダンス、盲導犬デモンストレーションなどが行われ、2千人を超える来場者でにぎわった。(主催/社会福祉法人兵庫盲導犬協会)
4月最終水曜日は「国際盲導犬の日」と制定され、世界各国ではこの週間に盲導犬への理解を呼びかけ、普及や発展へと繋げている。兵庫県では33頭の盲導犬が実働しており、社会福祉法人兵庫盲導犬協会では毎年4月29日に盲導犬や視覚障がいについて一人でも多くの人に知ってほしいと「国際盲導犬デー」を開催している。
22回目となるこの日は初めて湊川公園にて行われ、飲食ブースなどのテントが広い公園を取り囲むようにずらりと並んだ。協賛の神戸ロイヤルグルーミング学院のブースではトリミングが低料金で受けられるとあり、多くのワンちゃんが集まっていた。
ステージでは開会式の後、コーラスや津軽三味線の演奏があり、盲導犬のデモンストレーションが行われた。続いて、同協会事務局職員の小南明日香さんと犬舎訓練部職員の山本蓮さん司会による「盲導犬ユーザーの質問コーナー」が行われ、福尾貢さん、廣木由美子さんの2人が盲導犬とともにステージに上った。福尾さんと廣木さんが盲導犬と暮らし始めたのは10年前の同じ時期で、2頭目となる現在の盲導犬も偶然同じ頃にやってきたという。福尾さんは盲導犬が来たことで、自身の出かけたいタイミングでいつでも出かけられ、心の余裕ができたと話す。盲導犬と歩いていると必ず声をかけられるようになったことなどを伝え、一番困るのは自身が北か東かどの方向を向いているかわからなくなったときで、首を傾げて困っているような時は「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてほしいと伝えた。廣木さんは「盲導犬にさわる、声をかける、じっと見つめる」ことはやめてほしいと話した。盲導犬は人が好きなのでジッと見つめられると何かしてくれると思い、その人についていってしまうため知らんふりをしてほしいと伝えた。声掛けするときは盲導犬がいない側の前から「こんにちは」と話しかけてほしいとのこと。
福尾さんは盲導犬6頭とともに仲間6人で沖縄を旅したエピソードを伝え、「盲導犬がいるからこそできる人の繋がりがある。ハードルは高いがどこでもいいから海外へ行ってみたい」と笑顔。廣木さんは「盲導犬がいれば風を感じながら一人で歩ける。チラシを見て格安バスツアーに参加したり、北海道、宮古島など南の島へも行ってみたい」と笑顔をみせた。
同協会の田中邦人理事は「飲食店や病院などの施設で、犬のアレルギーを理由に4割もの入店拒否がある。盲導犬と視覚障がい者の方に出会ったときは温かく見守り、困っているときは手を差し伸べるやさしい社会になるよう、ご理解とご協力をお願いしたい」と呼びかけた。
盲導犬デモンストレーション