脳トレ・ロコトレ
4月28日(日)、市立西体育館(西区春日台)で50歳以上を対象に、筋力維持と運動機能向上を目的とした「脳トレ・ロコトレ」が行われた。
「脳トレ」は脳と身体の動きを連動させる二重タスクを課すことで、認知症や転倒の予防に効果があるといわれるトレーニング。「ロコトレ」とはロコモ(=ロコモティブシンドローム)にならないためのトレーニング。ロコモ状態とは運動器の障害により身体機能、おもに歩くことに支障が出た状態を指す。同イベントはロコモ予防の知識や運動・予防法を伝え、生活習慣を見直すきっかけになればと昨年から開催している。
参加者はまず自分がロコモであるかチェックするロコモ度テストからスタート。日常生活で生じる痛みや生活習慣を問う25の項目からロコモ度を3段階に判定する。「50代の内はまだまだ支障がない。60~70代になり歩行障害へ移行する要因の8割は運動不足。意識することで改善出来るので、健康なうちに知ってほしい」と話す講師の大西由佳さん。大西さんは元気だった祖父母が転倒から股関節を痛め筋力が戻らず入院に至った経験を持つ。運動のサポートはしていたが、もっと知識があれば入院は防げたと悔やみ、介護施設などでの予防トレーニングに力を入れるようになったと話す。
続いて首、肩、肩甲骨のストレッチを行い、足の運動へ。スムーズな立ち座りの動作にはひざうらの柔軟性が必要。大西さんは「基本は立ち座り。筋力が弱ったり痛みが生じると、『日常生活の立ち上がり動作』や『イスからの立ち上がり』が困難になり、それだけでトレーニング力に差が生まれてしまいます」と説明。また、筋力は脚から衰え、次第に歩行困難になるといった知識も伝えた。握力を鍛えることでも脚の筋力の維持につながり、毎晩お風呂で手のひらのグーパーを10回続けることで握力は維持できるとアドバイス。
水分補給をした後、手と足で違った動作を行う脳トレに移る。「右手はグーで太ももをトントン。左手は前後にさすります」と声を掛けると、簡単な動きでも「あれ?」「左右で同じになってる!」と慌てる参加者たち。「脳トレは間違っていい。脳がざわざわして動作を正そうとすることで脳が活性化するからOK!すぐにできちゃう方はトレーニングになってないな~と残念がってください」と徐々に複雑な動きのトレーニングに移行。音楽のリズムに合わせた動きや正しい姿勢での立ち上がり、スクワット、片足バランスを行ってトレーニングは終了した。
参加者の乾明浩さん(西区井吹台)は、2年前の健康診断で妻が筋力不足を指摘されたのをきっかけに、夫婦で参加しているという。「昨年も参加したが、ちょっとの動作で出来る、ながら運動を上手に教えてもらえるのがいい。意外と難しかったです」と効果を実感した。
西体育館では、多彩な教室・講座を定期的に実施し、幅広い年代に向け運動・スポーツに触れる機会を提供している。まずは参加しやすいイベントから、自分に合ったプログラムを見つけてほしいと館長の井村悠渡さん。
イベント情報はインスタグラム、または公式HPにて→https://kobenishi-gym.jp/
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