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パラ陸上競技・前川楓選手によるおはなし会

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5月5日(日)こども本の森 神戸(中央区加納町)で「パラ陸上競技・前川楓選手によるおはなし会」が開催され、60人の親子が参加した。 (主催/こども本の森 神戸)

5月に東アジア初となる「世界パラ陸上競技選手権大会」が神戸で開催され、同大会に出場する前川楓さん(26歳)が義足をテーマとした自作の絵本「くうちゃん いってらっしゃい」「くうちゃん うみにいく」(白順社)の2冊を読み聞かせた。 前川さんは中学3年の2012年、愛犬の散歩中に交通事故で右脚の太ももから下を失った。当時は今までと同じ生活はできないとひどく落ち込んだというが、リハビリで入院していた医師の勧めで事故から1年後に陸上を始めた。2014年にパラ大会100mに初出場。「最下位だったけど風を切って走るのが気持ちよくて、すごく楽しかった」と義足で走る楽しさに魅了された。リオデジャネイロ、東京パラ五輪走り幅跳びで2大会連続入賞を果たし、2017年パラ陸上世界選手権走り幅跳びで銀メダルを獲得した。

絵本「くうちゃん いってらっしゃい」では自身と同様、右脚が義足の犬の女の子くうちゃんが朝起きて出掛ける準備をする日常生活の様子を描いた。「義足は決して特別なものではなく、靴下や靴をはくのと同じように義足をはいて生活をしている。目が悪い人がメガネをかけるのと同じ」と絵本制作に至った想いを語った。義足を実際に見てもらうことで「小さい時から(義足が)身近に自然にあるものになれば」と話す。絵本の中でも義足をはく様子が描かれており子どもたちの目の前で説明しながら装着したり、競技用の義足に付け替えてその場でジャンプしてみせると、あまりにも高く跳ぶ姿に会場から驚きの声が上がっていた。

前川さんは絵本を通して「みんな違って、みんないいと伝えたい」と力強く話す。「いろんなことにチャレンジして好きだと思うことを大事にして頑張って」と呼び掛けた。学校の校外学習で世界パラ陸上の観戦に行くという若林風夏さん(千鳥が丘小5)は「前川選手が諦めずに頑張ったという話を聞いて私もいろんなことに挑戦したい」と笑顔で話した。

この日は「レーサー」と呼ばれる競技用車いすの体験会も実施された。体験した熊谷心優さん(本山第二小1)は「思っていたより回しやすかった」と力いっぱい車輪を回してスピード計測にチャレンジしていた。また5月3日~6日まで「KOBE2024世界パラ陸上企画展」(主催/神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会組織委員会)も開催され、パラ陸上に関するパネルや選手の直筆メッセージが展示された。さらにはパラスポーツに関する絵本や漫画などを集めたコーナーも設けられ来場者たちが見入っていた。


競技用義足に付け替えた前川選手

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