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垂水区

一日図書館員

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 3月24日(日)市立垂水図書館(垂水区日向)で「一日図書館員」が開かれ、市内の小学生4人が参加した。(主催/市立垂水図書館)
 同館では子どもたちが図書館の仕事を体験することで本を大切にする心を育み、図書館をより身近に感じてもらおうと毎年開催されていたイベントだったが、コロナ禍の影響で中止が続き、この日は4年ぶりの開催となった。先着順での受付は申し込み開始2分で定員4人に達する人気ぶりだった。
 最初に職員の杉野真理さんと山田由利さんから垂水図書館の広さや本の数などの紹介があった。「垂水図書館で借りた本は市内の別の市立図書館でも返却できることを知っていますか」の問い掛けには全員が「知ってる!」と大きな声で返事。続いて本の並び方の決まりについて説明があった。児童コーナーは「絵本」や「読みもの」など3つのコーナーに分かれ、「絵本」は文章を書いている人、「読みもの」は本を書いている人の名前順に並んでいる。2人ずつのグループに分かれ返却された本を正しい場所を探して本棚に戻した。本を戻しながら「この本面白そうだから読んでみたい」「この人(作家)の本がいっぱい並んでいる」と視点が変わることで新たな発見も生まれていた。
 次に返却専用カウンターでの業務を体験。緊張した面持ちで来館者から返却された本を受け取り、本に付いているバーコードを読み取るとパソコンの画面を見てすべて返却されているか確認。同館所蔵の本は利用者が返却台へ戻し、同館以外の本は図書館ごとの袋に仕分けた。カウンターでは来館者から「がんばってるね」と声を掛けられ照れくさそうな笑みを浮かべていた。本が好きで同館をよく利用していると話す高丸小4生(取材時)盛田航太郎さんは「バーコードの読み取りが楽しかった」と声を弾ませた。千鳥が丘小2年(取材時)若林長閑(のどか)さんは「予約が入っている本を作家や書誌番号で探して見つかった時がうれしかった。将来は図書館司書になりたい」と目を輝かせた。父親の聖人さんは「貴重な経験ですね。将来の夢への第一歩になったと思います」と話した。
 ほかには子どもたちが各自持参した本の表紙に傷や日焼けから保護するための透明なフィルムを貼った。職員に手伝ってもらいながら空気が入らないように定規を使いながら慎重に作業をすすめ、きれいにフィルムが貼れると笑顔がこぼれ大事そうに本を抱えていた。最後に図書館員の仕事をがんばった子どもたちに修了証が手渡された。市立垂水図書館館長補佐の村上智子さんは「働くことの大切さや子ども同士のコミュニケーションなど多くのことを感じてもらえたのではないでしょうか。子どもの頃から本に親しみを持って欲しいですね」と話した。

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