井吹東小4年生考案「いざというときの防災食レシピ」
3月10日(日)・11日(月)の2日間、井吹東小学校(西区井吹台東)4年生が考えた「いざというときの防災食レシピ」が西区役所3階こべや(西区糀台)にて展示された。(主催/西区役所 共催/市立井吹東小学校)
同校の4年生197人は総合的な学習の時間で防災学習を進め、その中で「災害時における食事」について探求的な学びを続けてきた。地震や水害などによる大規模災害時に避難所が長期化すると、栄養の偏りなどの食生活の問題が考えられる。また、乳幼児や高齢者、食物アレルギーを持つ人などは配食された食事が食べられない問題もある。「だれにとってもやさしい町」をテーマにし、児童と西区役所が1年かけて災害時でも元気に乗り切れるような、誰でも作ることができる防災食のアレンジレシピを考えた。西区役所総務部地域協働課 境田慶佑係長は「今回の展示が災害時の食事について考え、災害への備えに繋がるきっかけになれば」と開催目的を話した。
各クラス3点ずつ選ばれた児童考案の防災食レシピを展示。どんな食事だと元気になるか?家族が喜ぶ防災食とは?を考え、「好きな味」「食べると安心する」「温かい」「食べ慣れたもの」「栄養が取れる」の5つの視点でレシピを作成したという。「ポリ袋ポトフ」はポリ袋に切った野菜とコンソメと水を入れ、袋をきつく締め、沸騰したお湯に入れてつくる。ホットケーキミックスと水をポリ袋に入れお湯で煮てつくる「蒸しパン」、ポリ袋に切り干し大根とツナ缶をオイルごとポリ袋に入れ、マヨネーズなどの好きな調味料を入れて作る「ツナと切り干し大根の和え物」、鯖缶を使った「サバかんサバパスタ」などのレシピもあった。
レシピ以外にも授業での取り組み過程も展示解説されていた。児童たちは井吹東にある防災設備や備蓄倉庫などについても学習し、ライフラインが復旧していないときを想定しポリ袋調理で米を炊く体験も行ったという。レシピを家へ持ち帰って家族に作ったという児童からは「家族全員が笑顔になって喜んでくれたのでうれしかった」と感想の声があった。また、備蓄物資のアルファ化米や粉ミルク、長期保存飲料水なども展示。実際に被災地で使用されている段ボールベッドが設置してあり、避難所の生活を体験することもできた。会場内には元日に起きた能登半島地震で被災した石川県珠洲市の3月6日現在の状況を知らせる映像も流れていた。
境田さんは「初の試みでしたが、これからも防災食レシピに限らず防災に携わる学習を西区内のいろいろな地域と一緒に続けていきたい」と話した。2歳の孫と一緒に訪れた女性(西区井吹東町)は「4年生に知っている子がいるので寄ってみました。防災食のレシピや普段見ることができない備蓄倉庫などを見る授業はとても良い取り組みだと思います。被災地の方々のストレスなどが少しでも改善されればと思います」と感想を話した。