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垂水のいいね!人物編 薬膳料理研究家 槇玲(まり)さん

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2019年1月23日号掲載

薬膳料理研究家 槇玲(まり)さん

スーパーでそろう食材で毎日の薬膳家庭料理を

垂水を拠点に料理教室「yakuzen story」などを主宰する、薬膳料理研究家・まりさん。「薬膳」というと、漢方薬や生薬など特別な材料で作る専門的な料理をイメージする人も多いかもしれない。しかし、まりさんの提案する「薬膳」は毎日の食卓でいただく家庭料理だ。「食べ合わせや調理方法などちょっとした工夫でできるんですよ」という。「心身の健康の源は、やはり毎日の食。毎日実践することが大切」と「身近な食材で作る、美味しくて体にいい薬膳」の普及を目指して活動を続けている。

原点にあるのは槇玲さん自身の体験だ。以前は、栄養士として児童養護施設に勤めていた。「ハードな仕事でストレスや疲労から体調を崩して…。薬を飲んでも、マッサージに行っても治らない。病院のいろいな科で診てもらったけど原因がわからない。ますます症状がひどくなってしまって。食を見直そうと、藁にもすがる思いで薬膳について勉強したんです」。心身のバランスを保つ陰陽五行説、医食同源の理論、体を温める食材・冷やす食材といった分類など、これまで学んできた栄養学にはない考え方が「自然の理にかなっている」としっくりきたという。そして、薬膳の知識を自分の食生活で実践することで、徐々に心身の調子を取り戻していった。出産を機に退職、さらに薬膳の勉強を深めていく。職場の先輩や友達に料理を教えてほしいと依頼され、2001年に自宅で自宅で健康料理教室をスタート。その後2005年に薬膳料理の教室に変更し、今の仕事へとつながる。「スーパーで売っている身近な食材でできる家庭薬膳」が評判となり、参加者も次々に増えていった。「薬膳の理論ももちろん大切だけど、毎日実践できるレシピを重視している」という料理教室には、薬膳をしっかり勉強したい人も、料理教室で仲間に会って楽しみたい人もそれぞれのスタイルで参加している。最近は、まりさんと同じ子育て世代の母親も増えてきたそうだ。

これまでに制作した薬膳レシピは2000本を超える。著書「おうち薬膳 かんたん、おいしい、きれいになる」「Natural yakuzen(ナチュラル薬膳)」も好評。現在は、料理教室のほか、食べ合わせ薬膳レシピスクール、講師養成講座も開催。また、テレビや雑誌などのレシピコーナーを受け持つほか、食品会社と組んでメニューを考案したり、高齢者施設や保育園の「体を整える」献立を作ったり、「もっともっと多くの人に薬膳の素晴らしさ伝えていきたい」と、活動の幅をますます広げている。

所在地:神戸市垂水区五色山
問合せ:TEL:050-1523-2334
公式サイト:http://www.onomari.com/

 

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