生物多様性フォーラム「神戸と明石の自然を守り育てるために」
2月11日(日)、垂水区文化センター レバンテホール(垂水区日向)にて、神戸市と明石市が生物多様性フォーラム「神戸と明石の自然を守り育てるために」を初めて共催。「市民が主役となって生物多様性を守り育てるためには何が必要か」をテーマに、豊かな生物多様性を市民が主役となって守り育てるための方法や課題について話し合った。
神戸市と明石市は2023年9月に「神戸市と明石市の生物多様性を守り育てるための連携・協力に関する協定」を締結。きっかけは丸谷聡子明石市長が着任時に、久元喜造神戸市長を訪ねた際「自然が大好きで大切にしたい」という共通意識があることが分かり、連携を結ぶに至った。丸谷市長は神戸市出身で、幼少から神戸の自然とともに過ごした。「私自身、海や山、ダイナミックな自然との出会いに感動し神戸市とつながる里山をいかに守るかを皆さまとともに考えてゆきたい」と想いを語った。久元市長は「われわれ人間は生き物の多様性なくして生き続けることは出来ない。ここにお集まりの皆さまと、これから何が必要なのかをともに考えるディスカッションの場としたい」とあいさつし、開催の趣旨を話した。
前半は地域で活動する3団体による活動紹介。「玉一アクアリウム」は、玉津第一小学校の在校生・卒業生約30人の団体。外来種の駆除をメインに活動しており、捕獲した命は無駄にせず食べることや、駆除のために川に入ることで川が綺麗になり在来種の産卵が活発になった事象を紹介。「寒い川や、夏の暑い日の作業、辛いはずなのに楽しいと集まる子どもたちには川を愛する純粋な気持ちが育っています」と世話役の小田隆司さんは話す。
生物多様性あかし戦略推進会議の碓井信久さんは、明石川、神出、岩岡を中心に水草の保全活動を行っており「明石・神戸は水でつながっている」と連携には大きな意義があることを強調した。神戸大学大学院人間発達環境学研究科の丑丸敦史教授は、里山に絶滅危惧種のおよそ半分が残るのは人々が田んぼを維持してきたからだという。「豊かな自然は人が住む生態系にあってより多様化する」と見解を話した。
後半のパネルディスカッションでは、明石市・神戸市がこれまで取り組んできた活動を紹介後、来場者の質問に答えた。「子どもたちが自然に親しむためには」という問いかけに、丑丸教授は「遊ぶのが得意なシニアと繋ぐ」、碓井さんは「まず先生から学んで頂き、そこから子どもへと伝わるシステム作りが必要」とそれぞれが回答。中2、小5の子を持つ久保史枝さん(明石市大久保町)は、丸谷市長が行う環境塾に参加しており「親子で一緒になって学ぶことが楽しく、自分も自然について多くを知ることが出来た。今後の広がりが楽しみ」と期待を寄せた。
玉一アクアリウム 小田隆司さん
玉一アクアリウムのメンバー