２月12日（月・祝）、なでしこ芸術文化センター内西神中央ホールとアートスペース、交流広場（西区美賀多台）で、ホール運営の一端を担う『市民サポーター』による初企画「市民サポーターフェスＶｏｌ・１　地域の食発見！」が開催された。西区で魅力的な食を提供している企業のトークショーや、マルシェが行われ、多くの来場者で賑わった。
（主催／市民サポーター、西神中央ホール）

西神中央ホールは株式会社シアターワークショップとボランティアの『市民サポーター』が二人三脚で運営を支えている全国でもめずらしいホール。地域の交流を盛んにし愛着が持てるホールを目指して、「おかえりサロン」のコンセプトで活動している。市民サポーターは広報企画、舞台技術、レセプションの３班からなり、現在38人が登録中。今回は広報企画班の８人が、「地域とホールを繋ごう」を出発点にゼロから企画を立ち上げた。地元の食企業によるトークショーでその魅力を知ってもらい、自分たちサポーターの活動も紹介しようと決めたという。

レセプション班は、自主公演でのチケットの確認、客席への案内など、直接来場者への応対を担当している。谷山由希子さんは、「白いブラウスにスカーフを巻いてお客様をお迎えしているのが市民サポーターです。私たちは公演を楽しみに来場された方へ寄り添う気持ちを大切に、活動しています」と壇上で想いを話した。

舞台設営・音響・照明を受け持つ舞台技術班は今回が初の本番での活動となった。音響担当の高岡悦夫さん（74）は、「ワークショップで技術は学んだが、お客さんが実際に入る会場での調整はやっぱり違っていて、良い経験になりました。これからもやっていきたい」と意欲を見せた。指導にあたった同ホール音響責任者の髙原雄貴さんは「皆さんが初めて仕込みから本番と限られた時間内で準備を進める経験ができて良かった」と成果を喜んだ。

出店企業は地元で長く愛される老舗などの６社を、サポーターが住民目線で選んだそう。出店企業のひとつ、西神工業団地内にある株式会社たかたは手作り味噌、糀、甘酒などが有名。同社の池田さんは「弊社の工場直売所は駅から徒歩20分かかるので、今回『駅前で買えて嬉しい』とのお声をたくさん頂戴し、実りある内容となりました」と話した。西神南から訪れた女性は「車でしか行けないお店、池田製餡所が出店していたので、トークでお薦めと話されていた白ういろうとお饅頭を買いました」と笑顔。

司会を務めた広報企画班の巨勢佳美さんは、トークショーの準備にも力を入れたと話す。「15分ずつのトークで、各企業の想いや商品の魅力、市民サポーターの存在と活動が伝わるように努めました。『閑散としていたらどうしよう』と始まるまでみんな不安でしたが、予想を超えた多くの方が来てくださってうれしかったです」と、大役を終え笑顔を見せた。会場はオープン前から列ができるほどの大盛況。味噌作り教室やキッチンカー出店、出店企業の景品が当たる抽選会で盛り上がった。

今回の企画をホール側から支え、サポーターと並走した大島寛之副館長は「本当にたくさんのお客様に来ていただきました。私たちも催事をしますが、こんなふうに街の人を巻き込む市民サポーターの皆さんの力はさすがだなと感じました。これからもお互いの得意を結集させて、毎年企画をしていきたいですね」とイベントの成功を喜んだ。

市民サポーターのみなさん

イベントの最後を飾った抽選会