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須磨区

第22回総合学科発表会

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県立須磨友が丘高等学校(須磨区友が丘)の「第22回 総合学科発表会」が1月27日(土)に開かれた。
同校では多様な価値観を持つ人々と関わり問題を発見する力や正解のない問題に対して論理的に考え解決を模索する力など、総合学科の強みを活かしたさまざまな授業を実施。1年次は自己の生き方やあり方、進路について考える「産業社会と人間」。2年次の「課題研究Ⅰ」は自分で研究テーマを決め、先行の研究を踏まえてオリジナルな結論を主張する探究活動。3年次ではさらに探究した「課題研究Ⅱ」で論文・作品を通した成果発表を行い、主体的かつ協働的な学びに取り組んでいる。毎年この時期に開催される同発表会は生徒たちが日頃の学びの成果を発表する場となっている。
オープニングを飾ったのは特色ある授業「音楽基礎」を学ぶ2年次生徒によるリコーダーアンサンブル。重なり合うハーモニーから調和性や表現力を高めてきたという練習の成果を披露した。続いて1年次は「産業社会と人間」の学習での一年間の学びについて発表。7月に実施した「職場訪問」についても代表生徒が発表した。レトルト食品を扱う企業を訪問した井口愛菜さんは開発チームをはじめとする各部署の取り組みや職員の話を聞くことで、各部署が一丸となって納得のいく商品を作り上げることに感動したという。職場研究を通じて「諦めずに挑戦することや最後までやり切ることの大切さを学んだ」と力強く話した。
2年次の栢野舞祐さんは「マスクの罪と功について考える」と題し、コロナ禍のマスク生活の影響で幼児が相手の表情を読み取る能力に悪影響を及ぼす可能性について研究。マスク着用、サングラス装着、さらに音声の有無など表情(喜び・悲しみ・怒り・驚き)別に計24パターンの動画を作成し、近隣の保育園に通う4~5歳児を対象に調査。「幼児に伝わるように分かりやすい言葉や話し方を工夫した」と話す。調査結果で顔の一部が隠れていても感情を込めた音声を伴えば、ほぼ相手の感情を読み取ることができることが分かった。栢野さんは「結果からの考察はマスク生活になって3~4年なので本当に影響がないと断言できないが、悪影響がないことを願っている」と締めくくった。
「技能実習生が支援を受けられない理由と解決策―日本語学習の視点からー」と題した発表をしたのは2年次の前田雛璃さん。技能実習生が暴言・暴力を受け低賃金で働かされている事例を知り、日本人と同条件ではないことに憤りを感じたという。前田さんは実習生の日本語能力不足に着目し、能力が向上すると理解不足が招くトラブルを回避できると考え適切な支援を受けるための方法を提案した。実習生を雇用する企業訪問や実習生、さらには実習生に日本語を教える留学生にも取材。必要な日本語を学べていないなどの現状を受け「行政・企業・支援団体・大学が連携しながら日本語学習の強化をするべき」と提言。実際に行政と大学が連携した留学生就職促進教育プロジェクトが成果をあげている事例にも触れ、実現可能の根拠だと述べた。前田さんは「政治に関心のない同世代の人に身近に感じてもらえるように今後も発信していきたい」と想いを語った。ほかにも3年次代表生徒の発表や海外語学研修発表では5人の生徒が英語スピーチを披露した。
発表会直前に2年次の学年閉鎖があり急遽プログラムを変更。当初の2年次全員によるポスターセッションを延期し、代表生徒のみステージでのスライド発表に変更となり短期間での準備に追われたという。総合学科推進部の岩本和也教諭は「1年間の取り組みの成果が見える発表会でした。これからも好奇心を持って社会に目を向け、探究的にチャレンジすることで自分自身を発見して欲しいです」と語った。


(左から)前田雛璃さん、栢野舞祐さん

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