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第4回ツナガル農園プロジェクト

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1月14日(日)、「第4回ツナガル農園プロジェクト」が神戸学院大学の学生主導のもと鶴田農園の伊川谷オフラインサロン(西区伊川谷町)で行われ、地域に住む小学生と家族たちが水菜収穫や販売用のポップ作りを楽しんだ。

「ツナガル農園プロジェクト」は西区伊川谷町前開に拠点を置く鶴田農園(鶴田善久オーナー)と「学生・西区連携まちづくり活動助成事業」に採択された神戸学院大学現代社会学部 菊川裕幸講師ゼミ「農園LIFE創出班」3年次生の学生6人が連携して行ったイベント。鶴田さんは農業を営みながら、田園の真ん中に建つ2棟の大きなハウスを「気軽に気楽に気兼ねなく、誰でもふらっと遊びに行ける畑の交流広場=オフラインサロン」として提供。農業を通してさまざまな人が集まり、未来に繋がる活動の場にしている。同プロジェクトはこれまでも社会問題に向き合う活動をしてきた学生が、鶴田さんの協力を得て企画運営。市内の子どもたちを対象に、大株水菜の種まきから収穫まで全4回の農業体験を通して、地域の自然の豊かさや農業を楽しく学んでもらう目的で行われた。

昨年10月から始動し、まずプロジェクト開始前の10月8日に、学生たちは鶴田さんから野菜作りの環境を整える「土づくり」について学び、育苗トレーに大株水菜300株分を種まきした。プロジェクト第1回目となる10月22日には参加者とともに育った苗を畑に植替え、焚火を囲んで焼き芋パーティ。第2回目の11月26日には大きく成長できるよう雑草を抜き、追肥や水やりを行った。第3回目の12月17日は大きく育った水菜を初収穫し、採りたての水菜で鍋パーティを楽しんだ。

最終日となる1月14日は最終収穫から畑の片づけ、出荷販売まで一連の流れを体験。当日集まった参加者はまずは一人ひとり自己紹介し、しりとりゲームで交流を図った。続いて青空が広がる農園に移動して人間の頭の何倍にも成長した水菜をすべて収穫。その後参加者たちは備中鍬や平鍬を手に取り、次の野菜を育てられるよう収穫後の畝を崩し丁寧に耕した。親子4人で一致団結して耕す姿も見られた。

鶴田さんによるトラクターのデモンストレーションもあり、参加者は人力と比べて機械で畝を耕す速さを実感していた。昼食後は収穫した水菜をきれいに掃除し、洗って袋詰めする作業を体験。スーパーなどの野菜売り場にある商品のポップ作りに取り組み、最後にはこれまでの活動を振り返った。 和田由唯さん(井吹台中1)はトラクターに試乗し感動。「農業は生まれて初めての体験でしたが、野菜の中で一番好きな水菜を収穫でき、うれしかった。鍋はとってもおいしかった」と振り返り、「学校が休みの土日に農園を手伝いに来たい」と農業への強い関心を示していた。弟の隼人さん(井吹東小2)は「畑を耕すことが一番楽しかった」とはにかんだ。

同ゼミ生の大村彩華さんは「私たち学生も実際に農作業を行う中で、たくさんの新たな発見があった。参加者の皆さんに野菜がどうやってできているのか、農家さんがどんなことをしているかを知って頂く機会となり、少しでも農業を身近に感じてもらえたのでは」と達成感を滲ませた。 鶴田さんは「農業は農家だけでは維持できず、農業が発展するには農家と市民がウィンウィンの関係で明るく楽しく交流することが不可欠。このプロジェクトを通して学生たちの成長がみられ、将来の糧になるのでは」と目を細めた。

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