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こころがそまるミニライブ

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第12回「障がい者芸術の世界・こころのアート展」の会期中『こころがそまるミニライブ』が12月17日(日)、1月6日(土)の2日間、しあわせの村 本館・宿泊館で開催された。(主催/こうべ市民福祉振興協会)
【Artから聞こえるArtの世界】をテーマに事前公募で選ばれた演奏者がアート作品からインスピレーションを受け選曲したプログラムを演奏する同ライブ。昨年に引き続き2回目となる今回は19組の応募があり、審査の結果、4組が選ばれた。1日に2組が午前、午後の2回約1時間のミニライブを披露した。
12月17日(日)の1組目は裕U(ゆう)さんの二胡と島崎純子さんによるピアノ演奏、2組目はソプラノ歌手の板井美知さん、ピアノ演奏は榎屋里穂さん。裕Uさん、島崎さんは行美子(ゆき みこ)さんの作品『おだやか』を見て安らぎを感じ、自身が演奏して心が穏やかになれる《草原情歌》を選曲。演奏が始まると二胡とピアノの穏やかでどこか懐かしい音色に魅了された観客がロビーに約100人集まった。

裕Uさんと島崎純子さん

板井美知さんと榎屋里穂さん

西尾猛さん『ひまわり畑』からはあたたかい画風と花を愛でる優しい気持ちを感じ、《花すべての人に花》を選び、K・Mさんの作品『ずれてゆく』からやりきれない葛藤を感じ、裕Uさんも同じ気持ちになると翼があったらいいなと思ったと話し《翼をください》を演奏。同じくK・Mさんの作品から生きることへの希望、困難や苦難を乗り越えていくエネルギーを感じ、オリジナル曲《翼のしるべ》を最後に演奏。温かい拍手が送られた。

西尾猛さん「ひまわり畑」

2組目は榎屋さんのピアノ伴奏に合わせ、作品から安らぎを求めるインスピレーションを受けたという板井さんが《グノーのアベ・マリア》とミュージカル「モーツァルト」より《星から降る金》を歌いあげた。榎屋さんのピアノソロ「ベルガマスク組曲」より《ドビュッシーのパスピエ》も披露された。アート展の作品から、自分ではどうしようもない衝動や躍動を感じ選曲したという。「坂の上の雲」より《Stand Alone》、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」より《すべての山を登れ》と最後に《アメージング・グレイス》の見事な歌声が響き渡った。これらは作品より生きようとするパワフルさを感じ、自分の存在を確認するかのように力強い筆圧で描かれているのが印象的だったため選んだという。
同ライブに友人と訪れた70代女性(北区)は「前回のライブが良かったのでまた来た。音楽と絵は繋がっていると思う」と話し、午後からのライブも楽しむ予定だと話した。企画運営に携わるこうべ市民福祉振興協会の山岡陽子さんは「初回のライブが生の演奏を聴けると大好評だった。素晴らしいアート作品をみてもらえるいい機会。障がい者と健常者の垣根を越えてアートを楽しんでもらえたらうれしい」と話した。

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