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未来づくり応援事業」全県セミナー2023

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12月13日(水)、兵庫県民会館 パルテホール(中央区下山手通)で「未来づくり応援事業」全県セミナー2023が開催され、青少年の育成活動を行っている団体や個人、一般市民約100人が参加した。第1部ではテレビなどで活躍しているコメンテーターの牛窪恵さんによる講演会が、第2部は令和5年度 兵庫県青少年本部表彰式が行われた。(主催/公益財団法人兵庫県青少年本部・兵庫県)

未来づくり応援事業は地域で青少年の育成活動や支援などに携わっている団体や個人を対象として、昨年度より実施している。青少年の自立や社会参加を促す大人として知っておいてほしい課題や対応を学ぶ機会を設け、各地域で活動している団体同士の連携を促進し未来をつくる青少年を支える人材の確保と育成を目的に行われている。

今回はZ世代(19~28歳)と呼ばれる現代の若者について、独自のマーケティング分析に定評のある牛窪恵さんを迎え「『マスクの向こうに広がる世界』~コロナ時代の若者たちが拓く未知の可能性~」と題した講演会を開催。牛窪さんはまず若者の価値観の変化を伝えた。
2014年からの恋愛研究でわかったこととして、20代・30代の4割に彼氏や彼女がいないのは、行動する前にリスクを予測し「恋愛はコスパが悪い」という価値観に至っているから。SNSやオンラインゲームなど楽しいことがいくらでもある時代で、結婚と恋愛の「切り離し」を提言した。続いて、会社⇄家庭、都会⇄地方、リアル⇄バーチャル、消費⇄持続可能性という社会の「4つの壁」がコロナ禍によって取り払われたこと、バブル・団塊ジュニア・草食系・ゆとり・Z世代の各特徴と価値観の違いについて詳しく述べた。

牛窪さんはテレワークの普及により若者が求めている働き方の変化が加速したと説明。Z世代の若者たちはジェンダー平等や永続的な街づくりに関心が高く、家族の大切さに気づき、家庭の時間を大切にするようになった。コロナ禍でUターン希望者が増え、地元での就職を選ぶ若者も多い。地元志向が高まり人との繋がりを重視する価値観が強まっている。就職活動では企業名よりSDGsを重視するなど、持続可能な社会を目指す方向性にあると伝えた後、2030年=「ゲームチェンジ」という未知の変化へのシフトを示唆した。

その影でSNSの影響により、他人と比較し自信を失う若者が多いことに対して「一人ひとりの幸せのためにデジタルがある。デジタルを上手に活用して、周りに振り回されないで自分の時間と自分自身を大切にしましょう!」と呼びかけた。「若者たちの価値観を取り入れ、新しい社会を見つめてほしい」と締めくくった。参加者からは「Z世代の若者たちの価値観に驚くことばかりでしたが、未来は明るいと希望をもてそう」と感想が寄せられた。

その後、兵庫県青少年本部による地域において優れた活動を展開している青少年・青少年指導者の表彰式が行われた。青少年の部では個人の3人と3団体、指導者の部では個人10人が選ばれた。青少年の部で受賞した尼崎市で活動するNPO法人ASKはスケートボードをする若者たちの集まりとして「スケボーをする人もしない人も、住みやすいまちをつくる」ことを目指し3年前に設立。高校生・大学生・社会人9人のメンバーがこれまで300人を超える地域の幼児や子どもたちにスケートボードを教えている。代表理事の吉金潤一郎さん(21歳)は「全国に向けてスケートボードのイメージを変えていきたい」と笑顔を向け、「来年、尼崎市に常設のスケートボードパークをつくります。費用調達のため1、2月にクラウドファンディングを実施しますので、応援よろしくお願いします!」と呼びかけた。


未来づくり応援事業受賞者たち


NPO法人ASK

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