やさしいお灸教室
11月9日(木)「コミスタこうべ(神戸市生涯学習支援センター)」(中央区吾妻通)にて「やさしいお灸教室」が開催され9人が参加した。
コミスタこうべは市民の生涯学習と交流の場であり、毎月多岐にわたるテーマで、KOBEまなびすとネットに登録している生涯学習市民講師による一日体験教室や講演会を開催している。今回の市民講師は鍼灸師の山原陽子さん。お灸を初めて経験する人を対象とし、東洋医学の考え方、お灸をすることにより得られる効果・使用方法・注意点を実演を交えて学んだ。
東洋医学では人の体は「気(エネルギー)・血(血液)・水(血液以外のからだの中の水分)」で構成されていると考えられ、それらが滞ることなく体中を巡ることが健康な状態と説明。気・血・水の通り道である「経路」上にツボがあり、不調が起こると相応したツボに反応が出る。お灸は反応のあるツボを刺激することで気・血・水の巡りを良くし、症状の改善に導いてくれる。また、経路は臓腑とも繋がっているので、ツボへの刺激が自律神経を整える効果もあると話した。
お灸を据えるツボを見つける方法について「おおよその位置は本やネットから得られる情報通りですが、一人ひとり微妙に違います」と話し、実演でコツを説明。自身の肌を見て毛穴が開いていたり、色が変わっていたり、乾燥していたりと他との差を見つけること。指でなぞると凹んだ感触があったりするので、分かりにくい場合は目をつぶって指の感覚で探せば見つけやすいとアドバイスし、手足のツボ4カ所を紹介した。参加者は山原さんに積極的に質問しながらツボを探し目印をつけ、お灸に火をつけてから目印の箇所に据えた。
お灸の注意点として、持病・体調に不安がある場合は、医師に相談してから始めること、火を扱うので火の取り扱い・やけどに気をつけること、初めてお灸をするときは刺激に体が慣れるまで短い時間から始めること、汗や水で濡れている状態ではしないことなどを挙げた。
参加者から火を使うことに抵抗があるとの意見があり、市販の火を使わないタイプのお灸も紹介。参加者は「火を使わないで出来るのはこの講座を受けなければ知らなかった。いい方法を教えてもらえたので助かる」と、満足そうに話した。煙が少ないタイプのお灸に興味がある参加者には、火がつくまで少し時間がかかることを説明しながら目の前で火をつけて、煙の量の違いを比較できるようにした。兵庫区から参加の女性は「子どもが寝た後にしても、煙やにおいを気にしなくてもよさそうなので、早速出来そうです」と話した。
最後に山原さんは「痛みや不調の軽減だけでなく、日頃の体調の管理に活用してほしい。お灸をすることで、自分自身の体と向き合う時間ができ、ちょっとした体の変化に気づけるようになります。そうすれば、本格的に体調を崩す前に早めに対処することができます。お灸は続けることが大切なので、皆さんの健康管理の一助として取り入れていただければと思います」と話した。