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死者の日〜ディア・デ・ロス・ムエルトス〜

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11月5日(日)に、なでしこ芸術文化センター内アートスペース(西区美賀多台)で、メキシコの伝統的なお祭り「死者の日」のイベントが開催された。多くの家族連れで賑わい、久元神戸市長も応援に訪れた。 (主催/NPO法人ひと・コネクト兵庫)

映画「リメンバー・ミー」で日本でも知られるようになった「死者の日」。日本のお盆にあたり、メキシコでは11月1日と2日が死者を偲んで感謝し、家族との絆を深める期間とされる。自宅に美しく装飾した「オフレンダ」という祭壇を作ったり、鮮やかなオレンジ色のマリーゴールドの花を飾り、この世に戻ってくるとされる故人の魂を明るく迎える風習があるという。 この日もタコスなどのメキシコ料理のキッチンカーが出店し、会場はガイコツのカラフルなメイクや仮装した人で溢れ陽気なムードに包まれていた。カラーペンで仕上げるお面作りや、くす玉に似たメキシコの伝統的な飾り「ピニャータ」作り、塗り絵コーナーなどすべて子どもたちで盛況だった。

垂水区から訪れたオンティベロス・レイチェルさんと娘の小林恵美理・ソフィアさん(小2)。レイチェルさんはメキシコ出身で、日本への留学時に夫と出会い結婚した。「コロナ禍で5年間メキシコに帰れず、娘に国のお祭りを見せたかったので来られてうれしいです。アステカスープも現地の味と変わらずとても美味しかった」と感無量の様子。恵美理・ソフィアさんはペイントしたお面を手に「習っているバレエの舞台メイクみたいに描きました。好きな虹色を塗ったところがお気に入りです」と笑顔を見せた。

インターネットで「死者の日」を検索して県外から仮装で参加したという二人組の女性たちは「よく外国のイベントに参加して、その国に合わせた衣装やメイクを楽しんでいます。語学の勉強にもいいですよ」と話した。二人はほかの来場者からの撮影依頼に快く応じ、会場を盛り上げていた。ぶら下げた紙製の「ピニャータ」を棒で叩き、壊れた所からこぼれ落ちるお菓子を拾う出し物では、子どもたちは我先にと大はしゃぎだった。

主催の「ひと・コネクト兵庫」は託児事業を主にしているが、今年8月に外国人親子の支援と国際交流を促進する国際交流事業、「I WILL(アイ・ウィル)」を立ち上げた。理事長の戎康宏さんは、「多様な文化や背景を持った外国人の親子が、地域社会に溶けこんで安心した生活を送れるようにサポートし、神戸を外国人が住みたいと思う賑わう街にしていきたい」と抱負を語った。


撮影依頼に応じる仮装した参加者

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