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〈ふたば学舎「ふたば縁塾」特別企画〉 知的書評合戦 ビブリオバトル

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2月24日(日)、ふたば縁塾の特別企画、知的書評合戦「ビブリオバトル」が開かれた。

〈前田裕保さん〉

ビブリオバトルとは、誰でも参加できる本の紹介コミュニケーションゲームで「人を通して本を知る。本を通して人を知る」を合言葉に日本全国で開催されている。

2回目の開催となる今回のテーマは「まちづくり」。はじめに、生活協同組合コープこうべ、企画政策部・拠点づくり統括の前田裕保さんより、「まちライブラリー」の取り組みについての話しを聞いた。ふたば学舎内にも開設が予定されている「まちライブラリー」とは、地域に働き、住み、訪ねる人々が「本」を通じて互いを知り、関係を創るコミュニティ型ライブラリーのこと。(提唱者/磯井純充さん )かすがプラザ西神まちライブラリーは、地域の住民の新たな交流と創造の拠点としてコープこうべ西神店が開設した。神戸市内にはほかにも常設の施設があり、本の貸し出しやさまざまな催しなど独自の活動を行っている。

今回のゲームのルールは、①テーマについて発表者が読んで面白いと思った本を順番に1人5分間で紹介する。②それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを3分ほど行う。③すべての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員で行い最多票を集めたものを「チャンプ本」とする。

〈中野雅男さん〉

今回の発表者は中野雅男さん(兵庫区)と山住勝利さんの2人。中野さんは「神戸とお好み焼き~比較都市論とまちづくりの視点から~」三宅正弘著(のじぎく文庫)について。ウスターソース発祥の地である神戸の地ソース紹介から始まり、お好み焼きに展開。ソースとお好み焼きを絡ませながら、広島や大阪との比較を論じた。発表者の意見として、「そばめし」や「ぼっかけ」をもっと全国に広げたい。「神戸焼き」「長田焼き」という名前の名物がないとの指摘も。

〈山住勝利さん〉

山住さんは「独立国家のつくりかた」坂口恭平著(講談社現代新書)を紹介。〝一人で、0円で国をつくった男の記録〟として「住む」ということを突き詰めるため路上生活者に教えを請い、DIYで国を作った男が語る「希望」について書かれてある。日本全国に誰の土地かわからないところがたくさんあり、実際にそこに住んでいる人がいる。本書ではプライベートとパブリックの違いを明確に分けることができるのか?など、多くの問題提起がされている。

「チャンプ本」となったのは「神戸とお好み焼き」。京都や大阪に比べ独自性を出すのが苦手な神戸を象徴している。参加者からは「神戸ビーフを大阪で外国人が食べているのを見るのは残念。この本には、もっと神戸を元気にできるヒントがあるのではと感じたから」という理由があげられた。

バトルのあとは参加者全員で「神戸のまちづくり」に関して意見が交わされ、数十年後の状況も想像しながら、神戸の未来について積極的に語り合う有意義な時間となった。このビブリオバトルは、今後も開催を予定している。

 

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