食品ロス削減ショップ e c o e a t (エコイート)神戸白川台店
8月29日(火)に食品ロス削減ショップ「ecoeat(エコイート)神戸白川台店」がオープンし、朝から多くの人が来店した。
同ショップでは賞味期限切れや期限間近で廃棄予定の食品を2~9割引きで販売し、購入してもらうことで食品ロス(食べられるのに廃棄される食品)を減らし、生活困窮者の支援に繋げる取組みを実施している。「消費期限」は安全に食べられる期限に対し、「賞味期限」は美味しく食べられる期限のこと。期限が過ぎてもすぐに味が変化することはなく同店では賞味期限残に関わらず安全かつ美味しく食べられる食品のみを安価で販売している。店頭にはレトルトや冷凍食品のほか缶詰、飲料、菓子など約200種類が並び、商品のポップには賞味期限と価格が明記されている。
運営は外壁塗装の株式会社しらかわ工芸社(須磨区白川台)で同社の本社横に店舗を構える。「エコイート」はNPO法人日本もったいない食品センター(大阪府摂津市)の会員となる企業や個人が協力して運営。同法人は食品を扱う事業者などから食品衛生上問題のない廃棄品を引き取ってエコイートで販売したり、生活困窮者の支援や子ども食堂など慈善活動を行っている団体に寄贈している。しらかわ工芸社常務の川脇龍二さん(44歳)が、同法人の高津博司代表理事と中学校の同級生で3年前にたまたま活動内容を知ったという。同社会長の中根喜一郎さん(64歳)は多くの食品が捨てられている一方で満足に食べられず給食が命綱だという子どもがいる現状を受け「決して他人事ではない」と痛感。幼少期に父親の会社が倒産し、満足に食べることができなかった中根さんは「小学生の時、給食が一番楽しみだった」という自身の経験から「子どもたちがいっぱい食べて元気になると地域も明るくなる。親子3代で50年ほどお世話になった地域に恩返しができる」と異業種参入を決意。
左から川脇龍二さん、中根喜一郎さん
エコイートは大阪を中心に全国で18店舗展開しており、今後も設置の動きが広がっている。県内では尼崎市、姫路市に続く3店目となる同店は、川脇さんが責任者となり店舗スタッフは社員が交代で担当。店舗の売り上げ(剰余金)は生活困窮者へ食品を配送するための費用や仕入れの物流費などに充てられる。買い物に来た金井湊さん(白川小5年)は「まだ食べられるのに捨てるのはもったいない。家でも食べきるようにしている」と話し、母親の絵麻さんは「安く購入出来て、しかも貢献できるのはうれしい」と珈琲や味噌、菓子などを購入していた。
中根さんは塗装業の強みを生かし20年前から地域のガードレールや公園のベンチ、遊具を無償で塗装をするなど地域貢献に力を注いできた。創業者の父親から後を継ぎ、6年前に長男の義将さんに社長業を譲った。「残りの人生は社員や職人にも手伝ってもらいながら社会貢献に本腰を入れたい。今後は子どもたちに食品ロスの現状などを理解してもらうための勉強会を開きたい」と意気込んでいる。
◆「ecoeat(エコイート)神戸白川台店」
場所/須磨区白川台4丁目27・20
営業時間/平日 午前10時~午後7時 日曜・祝日 午前10~午後6時(年末年始休業)
問い合わせ先/
TEL(792)7808