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《神戸学院大学 学術講演会》信頼の心理学

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1月9日(水)神戸学院大学 有瀬キャンパス(西区伊川谷町)で、心理学部学術講演会「信頼の心理学」が開催され、教員をはじめ心理学を学ぶ学生や一般の参加者など39人が参加した。 講師はテレビ番組「世界一受けたい授業」にも出演経験のある同志社大学心理学部 中谷内一也(なかやちかずや)教授。

 

〈講師の 中谷内一也さん〉

そもそも「信頼」とは何か。定義の上では「ゆだねる気持ちになり、この人に任せても大丈夫であるという心理的な状態になること」を言う。日頃、電車やバスなどの交通機関は運転手に対して無意識のうちに信頼感を持ち利用している。信頼度が高い社会に暮らしていると言える。

信頼をもたらす要素は①能力があると認知されていること。②人柄が良く誠実、公正であり、説得の意図が感じられないこと、という研究結果があるが、この2つだけでは信頼を得られないことが多く、3つ目の信頼要素とされるのが「価値の共有」だとされる。

身近な例ではサッカーW杯の時に、渋谷のスクランブル交差点で荒れるサポーターを収めたDJポリス。ひとりの警視庁機動隊員の「目の前の怖い顔したおまわりさんたちも、心の中ではみんなと一緒に騒ぎたいんです。W杯出場を喜んでるんです」というユーモラスな語りがサポーターから支持され場が収まり、おまわりさんコールまで起こった。これはサポーターがDJポリスに対して自分たちと一緒に出場を喜んでいる「価値の共有」を感じて信頼を得た事例だという。

しかしDJポリスも周知され、騒ぎを収める為にファンであることを道具としていると思われると徐々に効力が無くなる、と中谷内教授は話す。では信頼を得るための有効な方法は何かと言うと、簡単に言えば「自分が相手を裏切った時に自分が損をする条件を、前もって提示すること 」だと言う。言い換えれば、相手に人質を預けて、もし自分が裏切ったら人質を殺して下さいと自発的に申し出るということで、それにより誠実であり、制裁ルールを自らマネジメントする能力があるという点も認知もされ、相手から信頼を得られるという。

難しい題目ながらも、分かりやすい例え話や教授の人柄により和やかな雰囲気での講演会となった。明石市から参加した倉八宗仁(くらはちむねひと)さんは、「聞き慣れない単語もありましたが楽しく聞けました。面白かったです」と話した。

※DJポリス/2013年にサッカー日本代表が2014FIFAワールドカップ・アジア予選においてワールドカップ出場を決めた夜、渋谷駅前で大勢のサポーターにユーモアを交えた話術でルールを守るよう呼びかけた警視庁機動隊員に対する愛称・通称。

 

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