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垂水区

子どもが子どもによみきかせ

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垂水センター街の流泉書房(垂水区陸ノ町)では、毎週金曜日に「子どもが子どもによみきかせ」が行われている。7月14日(金)には、年中から小4までの8人が参加した。その名の通り、子どもがお気に入りの本を選んで参加者の子どもに読み聞かせをするイベント。子どもたちの成長が目に見えて分かると好評で、取材日当日が212回目の開催となった。
流泉書房は昭和28年に三宮センター街で創業した老舗書店。阪神・淡路大震災で本店が倒壊後、名谷の2号店に移転、垂水センター街へ再移転して5年目となる。
このイベントは3代目店長・大橋祟博(たかひろ)さんが名谷店時代に読み聞かせをやりたいと提案した際、スタッフの息子(当時小4)が「お母さんより僕の方が絶対上手いから僕が読む」と言い出したのがきっかけ。
参加者の子どもたちは店内奥に特設のクッションフロアに座り、身を乗り出したり時には笑いや驚きの声を上げながら騒ぐことなく読み聞かせに集中。読む・聞くの両方を体験することで、読んでいる時にうるさくされたら嫌だろうなど相手を思いやる気持ちが自然と生まれると大橋さんは話す。子どもたちは1冊の本を持参、もしくは店内の本から選んで読むが、読まずに聞く側のみの参加でも可。友人に誘われて垂水区歌敷山から参加し始めて2年目の小2の男子児童は、当初は聞く側のみだった。何度も参加するうちに次第に読んでみたい気持ちが大きくなったという。母親は「ひらがなもまだおぼろげな頃だったので、初めて読む側になった時は『思っていたより読めるんだ!』と驚きました。人に聞いてもらうのが楽しそう」と成長を実感した様子。
3歳から読むのをスタートする子どももいるそうで、毎回参加する小学生や今は高校生となった参加者も顔を見せる。町の本屋さんならではのアットホームな雰囲気に溢れていた。保護者たちは自宅とは違う環境で垣間見える子どもの姿に、新しい発見をしたり驚きがあるのが魅力と話した。
大橋店長は「読み聞かせをきっかけに、学校帰りに立ち寄ってくれるようになったり和気あいあいとした関係が築けるのがうれしい。お母さん同士の会話のきっかけも生まれやすく、コミュニティの場となれば」と笑顔を見せた。子どもたちには1回の参加でスタンプ1つ、5つ貯めると景品に交換できるスタンプカードも渡される。50回ごとに記念イベントを開催しており、250回目も企画中という。


スタンプカード

◆「子どもが子どもによみきかせ」毎週金曜日開催(平日のみ)午後5時15分~予約不要
問い合わせ先/TEL(705)0911
流泉書房

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