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垂水区

2023こうべエコちゃれゼミ「大潮だから会える!海辺のいろんな生きもの!」

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5月20日(土)、アジュール舞子(垂水区)にて体験型の環境学習講座「2023こうべエコちゃれゼミ」が行われ、市内の小学生と保護者約180人が参加した。(主催/神戸市環境局)

神戸市環境局では海・山・川など、神戸の豊かな自然環境を生かした野外活動中心のイベントやワークショップなどの教室型イベント、市内のクリーンセンターで施設見学と環境学習を組み合わせたプログラムなど、親子で学べる環境学習講座「こうべエコちゃれゼミ」を毎年開催している。本年度1回目は「大潮だから会える!海辺のいろんな生きもの!」。一般社団法人アースパルKOBEの企画運営、須磨海浜水族園のスタッフや同水族園ボランティア(開催当時)を講師に迎え、神戸親和大学ユネスコクラブの協力を得て開催された。

受付を済ました親子は講座が始まるまでの30分ほど、海岸のごみ拾いを行った。講座でははじめに環境局環境創造課の紀田俊明さんが、子どもたちに「カニを捕まえたことがある人?」や「カニはどんなところにいる?」と問いかけた。続けて「カニの足は何本か知っている人?」と質問すると「8本」の答えがあり、紀田さんは「カニを捕まえたら、本当に足が8本で爪が2本か数えてみてくださいね。捕まえ方はスマスイのスタッフが教えてくれるので、お昼まで一緒に楽しみましょう!」と投げかけた。その後、スマスイの魚類飼育担当(開催当時)の柴田謙作さんより海にいるオニオコゼやアカクラゲ、ウニケムシなど毒をもつ危険な生きものについての説明があった。「わからない生きものがいたら、すぐに聞いてください」と注意を呼びかけた。

親子は軍手をして、それぞれ持参したバケツや網、虫かごを片手に岩場や砂浜へ。大潮とは、新月と満月の前後に起きる干満の水位差が大きい潮。大潮で潮が引いた岩場の石をどけるとカニがたくさん現れた。子どもたちはカニを手で掴んだり、貝を採集しては柴田さんに名前を尋ねたりしていた。大潮だから会える海辺の生きものを見つける度に子どもたちから歓声が湧き起こった。
大きなアメフラシを網で捕まえた春名颯太さん(横尾小2)は「ヌルヌルやで」とアメフラシを見せた。東灘区から家族5人で参加した久保田陽咲さん(8歳)は「左手と右手で2匹のカニを捕まえられたことがうれしかった」とはにかんだ。

採集後はテント下で柴田さんが子どもたち一人ひとりに採集したカサガイやイボニシ、マツバガイなどの貝やカニの名前を伝えた。採集した生きものはすべて用意されたビニールプールに移され、子どもたちはアメフラシを触ったり、観察したりして楽しんだ。
その後、参加者を前に柴田さんから子どもたちが採集した生きものについての解説があった。石がたくさんあるところにいる足がシマシマ模様のイソガニや、甲羅が平たいヒライソガニの説明。イソカニダマシはイソガニにそっくりだが、実はヤドカリの仲間で、爪が大きく足の数は爪を併せて8本であることを伝えた。魚ではアイナメにそっくりのクジメやムライソ、赤白黒のメバルの特徴や見分け方などを紹介。最後にアメフラシを「梅雨の季節にたくさんいます。身近で見つけやすく、さわりやすいので、海水浴の時にでも探してみてください」と紹介した。最後に「カニは足で見分けができる?」や「カニの爪って生えるんですか?」など、子どもたちからたくさんの質問があり、柴田さんは一つひとつ丁寧に答えていた。

2人の子どもと参加した杉岡江利さん(垂水区歌敷山)は「身近にこんなにたくさんの生きものがいることに驚きました。参加できてよかったです」と笑顔。アースパルKOBE代表理事の大嶋俊英さんは「神戸は大都市だが自然がいっぱい。触れるという体験を通して、海の環境を考えるきっかけになり、神戸はいいところだと思ってもらえるとうれしい」と話した。

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