塩屋探訪ガイド
6月15日(木)に「塩屋探訪ガイド」が開催された。垂水観光ボランティアによる、申し込み不要、参加費無料の気軽に参加できるガイドツアーで、小雨の中63人が集まり塩屋の街並みを楽しんだ。
午前10時、山陽電鉄滝の茶屋駅に集合。旧ジェームス邸→岩船不動明王→塩屋若宮神社→安養寺→西向き地蔵→旧グッゲンハイム邸を巡るおよそ2時間のコースで、5人のガイドが付き参加者は二手に分かれて名所を見て回る。主要スポットだけでなく、見逃してしまいそうな小道でも地元ガイドならではのエピソードが飛び出し、参加者はそのつど興味津々に聞き入っていた。
塩屋町から青山台にかけて「ジェームス山」と呼ばれる外国人向け住宅地がある。大阪湾を望む景観が素晴らしいと1930年代より貿易商のアーネスト・W・ジェームスが私財で約7万坪の山林を開き、60棟以上の住宅を建てたのがジェームス山と呼ばれる由来。神戸市指定有形文化財の旧ジェームス邸(1934年築)前では、美しく保存された邸宅に多くの参加者がカメラを向けた。住宅地入り口の岩船不動明王は平安時代に火災から守るために祀られたもの。脇にはジェームス山の守り神とされるライオン像が鎮座している。「住宅内にはライオン像のほかにタイガー像もあるが、こちらの方が立派。3色の竜山石を使用したユニークな石垣は高砂で採れたものを使った地産地消です」とライオン像の口に手を入れ、ユーモアを交えて説明。
線路脇から塩屋若宮神社、安養寺、西向き地蔵と下る。邸宅が並ぶ景色とはがらりと変わり、下町の風情が残る塩屋駅前の商店街を通りながらガイドは続く。休憩を取った後、月に一度の見学会が行われる旧グッケンハイム邸へ。内覧を楽しみに参加したという声も多く、管理人の森本アリさんから語られるエピソードに全員が聴き入った。
東京から移住して3年目の阿川加代子さん(中央区)は新聞記事を見て初参加。「インターネットやガイドブックでは知り得ない、雑談のような語り口調に親しみが持てる。コロナ禍で出歩けなかったが、これからは範囲を広げて神戸の街を楽しみたい」と満足げに話した。近年、映画・ドラマのロケ地になることも多く、注目が高まっている塩屋。若い世代の参加も増えているそう。
多いときには参加者が100人を超える人気イベントだが課題もあるという。「無償の活動で、年間20回ほど開催しているが、登録ガイドが足りておらずガイドの増員が必要」と話す代表の阪本保孝さん。定年退職後の生きがいと社会参加が出来るボランティアガイドの魅力を訴えた。垂水観光ボランティアは随時募集中。
※次回イベント
8月26日(土)開催「垂水ミニ講座」垂水区文化センター講習室(レバンテ垂水2号館3階)
問い合わせ先/垂水観光ボランティア代表 Eメール tarumikankovolunteer@gmail.com
垂水観光ボランティアの皆さん