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須磨区

滝川高等学校3年 眞田優太さん

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第40回津軽三味線世界大会個人B級
チャンピオン
滝川高等学校(国際理数3年)の眞田優太さんは、第40回津軽三味線世界大会個人B級チャンピオンとなり、今年2月、第41回こうべユース賞文化部門の受賞者にも選ばれた。さらに昨年11月にはマロニエ賞を受賞し、県知事からの表彰を受け、中央区民を対象にした青少年を讃える賞も受賞。県・市・区から揃って表彰を受けた。
優太さんと津軽三味線の出逢いは4歳の時、母親の恵さんと津軽三味線の全国大会を聞きに行き、その場で「津軽三味線をやってみたい」と恵さんに懇願した。恵さんは子どものおもちゃにしては高価すぎると悩んだものの、引っ込み思案だった優太さんが人とは違う特技を身につけ自信が持てればと思い承諾した。恵さんは指を置く場所を白のマーカーで印をつけ、恵さん自身、初めて見る津軽三味線の楽譜を優太さんに独学で教えた。一日でも弾くことを休むと感覚が鈍るため、津軽三味線を始めてから来る日も来る日も恵さんと二人三脚で練習に励む日々を送った。


ホテルオークラにて演奏(小1)

小学校4年生の時、津軽じょんがら節をソロで弾く「曲弾き(きょくびき)」の独学に限界を感じ、三重在住でプロの津軽三味線奏者松永訓明さんが主宰する曲弾き専門の教室に月に一度通い、基礎から徹底的に指導を受けた。小学校5年生の時、第10回全日本津軽三味線競技会名古屋大会(小学生の部)で初優勝。続いて、第4回津軽三味線津軽民謡全国大会inびわ湖(少年少女部門)で優勝し、東京、青森、大阪で開催された全国大会ジュニアの部をすべて制覇。新聞やテレビ、ラジオで取り上げられた。新聞記事を通してその快挙ぶりを知った、久元喜造神戸市長から激励の手紙が在学していた湊小学校に届き、喜んだ優太さんは今でも手紙をお守りにしている。
津軽三味線を極めるには曲弾きと唄付けをマスターする必要があると、中学2年の終わりより、唄付け指導で有名な松田隆行さんに指導を仰ぐ。松田さんは2020東京オリンピック閉会式で「東京音頭」を歌った仙台在住の民謡歌手・津軽三味線奏者で、神戸へ出張して月に一度優太さんを指導している。優太さんはすぐに頭角を現し、第19回全国津軽三味線コンクール大阪大会・唄付け部門「津軽小原節」で優勝を果たした。


唄付け部門・津軽小原節優勝(高1)

優太さんは幼少の頃より中央区の婦人会長や区長をはじめ、多くの応援者に恵まれている。老人ホームでのボランティア演奏や、大阪堺浜寺ライオンズクラブでの演奏に呼ばれるなど、中学生の頃より毎週末演奏を続ける日々を過ごした。コロナ禍で演奏活動もストップしたが、落ち着いてきたことからレセプションパーティーや湊川神社の夏祭り、3月には大阪場所の時津風部屋の千秋楽パーティに呼ばれるなど演奏活動が再開している。
優太さんは将来、津軽三味線奏者と歯科医との二刀流を目指している。優太さん自身、高校1年生の終わりから歯の矯正を始め、矯正治療によって自信が持て、元気で前向きになれたことから、自身の経験を活かし患者の気持ちに寄り添う歯科医を志すことを決めた。高校3年生となった今年、歯学部への入学を果たすため、演奏活動と並行し受験勉強にも力を入れる。「いつか久元市長に僕の演奏を聴いてもらいたい」と目を輝かせた。

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