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須磨区

市立東落合小学校4年 トライアルライダー 塚本和志さん

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第11回全日本トライアル選手権大会
最年少クラス・プッシン(9│10歳男子)第1位
塚本和志さんは昨年6月に開催された公益社団法人・日本自転車競技連盟による「第11回全日本トライアル選手権大会」の最年少クラス・プッシン(9│10歳男子)の部で優勝し、第41回こうべユース賞を受賞。さらに昨年、Jシリーズプッシンクラスで年間チャンピオンに輝いた。


Jシリーズ出場

トライアルはスペイン発祥の自転車競技で、通常の自転車競技とは異なり、スピードやタイムを競うものではなく、岩や丸太、斜面などの自然地形や、人口構造物で設定されたコース(セクション)を走行して、いかに足つきや転倒なく走行できるかを競う技術要素の強い競技。体格による能力差が大きく影響するため、ユースのカテゴリは年齢ごとに細かくクラス分けされている。


左から弟の真志さん、父親の厚志さん、和志さん

和志さんがトライアルを本格的に始めたのは2020年春。「本当はオートバイをさせたかった」と語るのは趣味でオートバイのトライアルをやっていた父親の塚本厚志さん。厚志さんは和志さんにトライアルのほか、BMXや競輪、モーターバイクなどさまざまなスポーツを体験させ、自転車トライアルを選択した。和志さんは「上手くなっていくことが楽しかったから」と選んだ理由を振り返る。自転車はスペインから部品を取り寄せ、すべて父親が組み立てる。弟の真志さん(小3)もトライアル選手となり、和志さんは弟とともに下校後、父親の指導のもと月・水は公園でフィールド練習、火・木はバランスよく筋肉をつけ、ケガの防止や体幹を鍛えるためにフィジカルトレーニングを受ける。土・日は岡山などの競技場で技を磨く。父親の全面的バックアップのもと、日本一を獲得した和志さんは日本自転車連盟強化育成選手に選ばれ、7月スペインで開催されるUCIワールドユースゲームズ・プッシンクラスに出場する。目標はもちろん優勝し、世界チャンピオンになること。昨年ポーランドで開催された同競技で和志さんは7位の成績をおさめ「強豪のスペイン選手を倒せば優勝も夢ではない」と父親は意気込む。世界大会への出場は多くの費用を要するため、保険会社に勤める父親は兵庫、大阪にある法人顧客や個人に呼びかけスポンサー数は20以上、大会ウエアやヘルメット、自転車にロゴが光る。「今後はプロモーション会社と契約し、テレビや新聞などのメディア露出をすることで、自転車トライアルの存在、認知を上げる活動をしていきたい」と和志さんの躍進を期待する。「小学生の時から世界大会に挑戦することで、グローバルな世界へ飛び込み、その経験を後の人生に活かすことができるだろう」と息子の成長を見守る厚志さん。トライアルはプロの道が開かれていないことから、将来は競輪選手を目指す。うなぎと唐揚げが好物と話す和志さんは「夢は家を建てて楽しく住むこと」と屈託のない笑顔を見せた。親子・兄弟一丸となって世界チャンピオンへの挑戦は続く。

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