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アートギャラリーカフェ プラネットEartH(アース)

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「また一つ、戦後の文化が消える」と語るのは神戸市生まれの現代美術作家・宮崎みよしさん(77歳)。宮崎さんはモトコーの愛称で親しまれてきた中央区元町高架通商店街2番街に、2008年12月アートギャラリーカフェ「プラネットEartH(アース)」を開設した。2018年よりJR西日本が耐震補強や防災対策を理由に再整備を始め、300あった店舗の移転・廃業が進む中、阪神大震災にも耐え今なお闇市の雰囲気が息づくミステリアスなモトコーを戦後の文化遺産として一部でいいから残せないかとJR西日本と神戸市に直談判を続けた。しかし、その思いは届かず、今年の6月末をもってプラネット・アースは移転を余儀なくされる。

プラネット・アースには芸術家やカメラマン、ミュージシャンなど数多くの文化人が集い、展覧会やワークショップ、映像上映など多彩なイベントを開催、多くの人々の心の拠り所となってきた。北区に住む福士早絵さんもその一人で、2018年に初めて同ギャラリーを訪れ、宮崎さんに大学時代から写真を撮っていると話したところ、「あなたも参加しない?」と写真展に誘われた。福士さんは変わりゆくモトコーを舞台に現在小学3年生となる一人息子の宙也さんをモデルに撮影を続け、4月25日から30日まで写真展を開く。花隈で生まれ幼少期を過ごした福士さんにとってモトコーは若かりし頃の亡き父や母との思い出深い大切な場所。「ぜひ足を運んで頂き、消えゆくモトコーを記憶におさめ、このような場所があったという発見のきっかけにしてほしい」と呼びかけた。

3月25日には「プラネット・アース激励会」が開催され、市内でギャラリーを主宰する福永祥子さん(あいうゑむ)、玉川侑香さん(いちばぎゃらりい侑香)、そして、宮崎さんが神戸文化の種火を守り、若い世代に継承するために熱く語り合った。宮崎さんは西元町6丁目で再開を予定している。
「人生で起こるあらゆることはたまたまで空気を感じることが大事。我々はそういう場を提供する立場にあり、新しい出逢いがそれぞれにあったらいい。そういう場が必要」と投げかけた。宮崎さんは現代美術作家として「文化とは何か。辞書を調べても曖昧模糊としてしか書いていない。文化に匹敵する言葉が見つからない。今一度美しさを求め、美しい=文化をもう一度考え、練り直したい」と語った。

ギャラリー展示5月末まで
【展示予定】
◆4月11日(火)~16日(日)昼12時~午後7時(最終日午後3時)
「プラネット13人の写真展 ざ・こうべ」
◆4月25日(火)~30日(日)昼12時~午後7時(最終日午後5時)
「〝ひとりあそび3〟さよならモトコー。ちょんまげくんとたどる私の記憶」
問い合わせ先/TEL050(3716)3540


プラネット・アース激励会の様子(左端/宮崎みよしさん)


福士早絵さんと息子の宙也さん

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