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シニアルネサンス研究会

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高齢者が人生を楽しみ、活躍できる社会を考える「シニアルネサンス研究会」の例会が3月4日(土)に湊川神社内楠公会館(中央区)で開かれた。この日の例会は神戸市出身で元警視総監の池田克彦さんを講師に迎え「警察をめぐる5つの謎」と題した講演会が行われた。

昭和40年代高度成長期の日本は経済・治安ともに世界一となり「世界一安全な日本」と呼ばれていたが、平成14年には刑法犯認知件数が約300万件と激増し安全神話が崩壊したと当時はマスコミも大きく報道した。治安改善の取組を推進した結果、件数は減少し続け昨年は約60万件だった。池田さんは警察の表看板である「刑事警察」より「生活安全警察」への流れができたからだと話す。検挙率を上げるための裏付け捜査に時間を費やすより新たな犯罪を防ぐ方が重要で「警察の本来の目的は犯人逮捕ではなく犯罪を起こさせないこと」と提言する。

一昔前は貧困が原因で生活費を稼ぐための窃盗が多かったが、近年は窃盗のチャンスがあるから実行するという環境に誘発された犯罪へと変化しているという。機会を減らせば犯罪も減るので防犯カメラは有効。実際、犯罪が減少していることから池田さんは 「防犯カメラが当時あれば3億円事件は解決していたと思う」と自身の見解を述べた。ほかにも刑事ドラマでは警察幹部が悪役な理由など、警察内部の話も混ぜながら語る内容に参加者たちは興味津々に聞き入っていた。

「シニアルネサンス研究会」は長寿高齢社会においてシニアが「人生第二幕」を楽しみ、活躍する社会の実現を目的に昨年5月に設立。会長の楠本利夫さん(81歳)は神戸市職員を定年退職後、芦屋大学教授などを務めた。高齢者大学「兵庫県いなみ野学園」(加古川市)で指導する中、活力あふれる高齢者を目の当たりにし「元気で豊富な知識や経験を持つシニアがもっと輝ける社会にしなければ」と痛感。楠本さんの呼び掛けに研究者仲間や学生らが賛同し発足に至った。現在の会員は社会福祉、食文化、物理学などの専門家に加え、60代~80代の市民ら83人。

楠本さんは「長寿社会を活性化するためには脳と身体機能を維持する生活習慣が重要。知的好奇心、適度な運動、交流と対話がキーワードとなる」とシニアの復権を掲げる。会員にはシニアに役立つイベントや講座案内のほか、さまざまなテーマで週2回ほど情報を発信。老年学や社会貢献などの実践研究も行う。また交流することで友人作りや情報交換の場になればとも考える。須磨区北落合の斉藤圭太郎さん(82歳)は「講演会はテーマが新たな切り口だったので面白かった。スキーやテニスが趣味で毎日有意義に過ごしてます」と生き生きとした表情を見せた。高砂市の坂田美子さん(79歳)は「研究会の趣旨がいいですよね。テニスを楽しんだりパソコン検定の挑戦など毎日充実してます」と笑みがこぼれた。

※会員募集中
問い合わせ先/事務局長 片山さん
メール senior.renaissance@gmail.com


左から片山博郷事務局長、楠本利夫会長

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