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西区

神戸市の女子中学生のための理工チャレンジプログラム

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「神戸市の女子中学生のための理工チャレンジプログラム」が、3月4日(土)神戸市在住または市内の中学校に通う女子中学生対象に、市立工業高等専門学校(西区学園東町)にて開催された。
(主催/神戸市・神戸市立工業高等専門学校)

日本では技術者やエンジニアを目指す女性が少なく、同高専に通う女子学生の割合も2割に留まっている。次世代の女性理系人材の育成のため、女子中学生に理工系に興味関心を持ってもらおうと行われた。今回は3Dプリンターを使ったものづくりや、化学反応を活用した鏡づくりを通じてエネルギーの流れを体感し、ものづくりの楽しさを体験する内容のプログラムを実施。定員の約3倍の申し込みがあり、抽選で選ばれた参加者15人が集まった。2つのグループに分かれて前半後半で交互に2つのチャレンジを行った。当日の司会進行は(株)ダイネンヒューマンplusの女性スタッフが担当。

3Dプリンターを使ったものづくり体験は機械工学科の早稲田一嘉教授が担当。3Dプリンターは造形物の出力に時間がかかるため、早速作業に取りかかる。参加した中学生にはマンツーマンで現役の女子学生が付き、パソコンで各自がトポロジー最適化という計算を行った。3D‒CADで設計した製品を実際に作る前段階において、コンピューター上であらゆるシュミュレーションをし検証ができる技術(CAE解析)を利用し、缶(プルタブ)オープナーの形状を最適化しプリンターで造形していく。
兵庫区から参加した中学生の母親は「娘は昔からロボットが大好きで、進学についてどの分野に興味があるのか知りたくて参加した」と話し、真剣に取り組む娘を見守っていた。

もう一つの教室では、応用化学科の渡辺昭敬教授が担当する酸化・還元の一つである銀鏡反応を利用した鏡作り体験が行われた。エプロン、手袋、メガネをつけて実験開始。グルコース溶液と水酸化ナトリウム溶液を試験管に入れて混ぜ、硝酸銀水溶液が入った皿にその溶液を注入し銀鏡反応が起こるのを待つ。待ち時間を使ってカイロの製作も行った。女子学生のサポートのもと、参加者は見事な鏡を作ることが出来た。渡辺教授から、化学の力はペットボトルや新幹線を作る過程でも必要で、身近なところに使われていると話があった。

東灘区から同高専に通う相坂玲衣さん(4年生)は「実験がとても楽しい。5年間あるので普通の高校と違って充実した学校生活だと感じる」と話した。現在就職活動中で製薬会社を志望しているとのこと。実験の間に中学生は高専生へ「学校生活は楽しいですか」「数学は難しいですか」と質問し、楽しく会話する様子も見られた。プログラム終了後には在学女子学生との座談会も開かれ、高専生の意見を聞ける貴重な機会となっていた。

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