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西区

身近な保健医療講座

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2月9日(木)、大学共同利用施設UNITY(西区学園西町)で「身近な保健医療講座 人生100年時代、『ウェルネスライフ』に必要なこと〜最後まで自分らしく、健やかに過ごすために〜」が開催され、約100人が参加した。
(主催/西区医師会・垂水区医師会・須磨区医師会・西区歯科医師会・垂水区歯科医師会・須磨区歯科医師会・神戸市立西神戸医療センター)

神戸西地域(西区・垂水区・須磨区)の医療機関が連携して開催する恒例の講座で、かしこく病院にかかるための知識や、知っておくと便利な医療のまめ知識などの情報を楽しくわかりやすく説明してくれると人気がある。この日は3講座が行われ、はじめに「侵略者から歯を守るための自衛手段と心得〜8020の呪縛から解き放たれて〜」と題し、垂水区のおおもり歯科医院の大森茂樹院長が講演。歯の健康をおびやかす侵略者=細菌を寄せつけないためには日々のセルフケアが最重要と語り、歯ブラシに加え歯間ブラシを使用することやかかりつけ医で定期的な歯のクリーニングを勧めた。また80歳で20本の歯を保つことを推奨する8020運動がよく知られているが、20本未満であっても毎日美味しく食べることは可能で前向きに生きることが心身の健康につながると話した。

続いて「自分らしく生きるために〜『人生会議』してみませんか〜」と題し、市立西神戸医療センターがん看護専門看護師の正井志穂さんが、自身の望む医療やケアを受けるために信頼できる人たちと話し合う「人生会議」の重要性を解説。命に関わる病気や怪我は誰にも起こり得るが、命の危険が迫った状態になると7割の人が医療やケアについて自分の意思で決定できなくなるといわれている。自分はどんな医療を望んでいるか、自分が大切にしたいことは何かを、身近な人の力も借りながら医療・ケアチームと共有する人生会議の機会を持ってほしいと話した。

最後に「認知症患者さんとの共生社会をめざして」と題し、垂水区のすずき脳神経外科・認知症クリニックの鈴木壽彦院長が講演。超高齢化社会の日本では認知症の急増が予測され、2025年には約700万人が認知症高齢者になるとされている。認知症にはアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症などそれぞれに違った特徴があるが、アルツハイマー型がもっとも多い。共生社会を築くために認知症への知識や対応能力を持つ重要性を語る中で、認知症の予防には適度な運動や食事も効果があることがわかっており野菜や果物、オリーブオイルを摂る地中海式食事が推奨されていることも紹介した。

垂水区から参加していた男性は「興味深かったのは人生会議。病気や事故に遭う前に信頼できる人たちとの話し合いは大事ですね」と話した。

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