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須磨区

市内初の子ども食堂専用冷凍庫モデル設置

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2月9日(木)須磨区役所3階須磨区社会福祉協議会(須磨区大黒町)に市内初の子ども食堂専用冷凍庫がモデル設置された。
それに伴い、シラス漁を営む若手漁師が冷凍上干ちりめん10㎏を寄贈、贈呈式が行われた。当日は菅の台地域福祉センター(須磨区菅の台)で漁師による食育講座と、寄贈先の一つである「すがのだいキッチン」によるちりめんを使った食事の提供があり、地域の子どもたち20人がおいしそうに味わった。(主催/須磨区社会福祉協議会)

寄贈したのは一般社団法人KOBE PAIR TRAWLINGS(コウベペアトローリングス)。神戸で船曳き漁を営む若手漁師たちが集まり、神戸のシラスのおいしさを発信しているチーム。小学校で出前授業を行うなど、神戸の漁業について伝える活動を行っており、今回の寄贈も子どもたちに神戸の海の恵みを味わってもらえればと実現に至った。
贈呈式には同法人代表の尻池宏典さん、松下直人さん、山田将壱さんが参加し、須磨区社会福祉協議会事務局の久保和功部長にちりめんを寄贈した。ちりめんは区内10カ所の子ども食堂のうち5カ所に提供される。尻池さんは「本当だったらそのまま食べてほしいが、ふりかけやパスタなど何でも使えるので、色んなものに使って栄養をたくさん摂ってほしい」と呼びかけた。

その後、菅の台地域福祉センターで、同法人の3人が子どもたちに向けて「魚を食べるとなぜ良いか?」のテーマで食育講座を行った。まず尻池さんが「ちりめんじゃこ好きな人?」と子どもたちに投げかけ、大阪湾がシラス日本一の生産量を誇ることや神戸ではたくさんの魚が獲れることなどを伝えた。松下さんから「シラスは何の子ども?」については「カタクチイワシ」とすぐに答えるなど、子どもたちは目を輝かせて積極的に参加していた。「残さずきれいに食べてくださいね」の呼びかけに笑顔で応えた。

子ども食堂「すがのだいキッチン」によるこの日のメニューはシラスご飯、小松菜のじゃこ炒め、シチュー。漁師たちもともに食事をする中、子どもたちは白いご飯にシラスをたくさんのせて口いっぱいに頬張っていた。子どもたちから「卵がのったシラス丼が食べたい」や「鮭が食べたい」のリクエストがあり、尻池さんは「神戸で鮭の養殖をしている仲間に伝えておきます」と返事をしていた。高橋咲彩さん(小4)は「小松菜のじゃこ炒めがおいしかった」とご飯をお代わり。三宅結愛さん(小4)は「シラスおいしい」と笑顔をみせた。

神戸市では小学校の校区ごとに子どもの居場所(学習支援・食堂)の設置を推進しているが、これまで子ども食堂には保管用の大型冷凍庫がなく、届けられた食品の保存が難しかった。久保部長は「須磨区に市内で初めて専用冷凍庫が設置されたことで多様なメニューの提供と安定的な運営が可能になります」と話した。


シラスすがのだいキッチンの皆さん

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