編集記事

須磨区

「あなたも聴き上手になれる!」 傾聴ボランティア講座

記事 「あなたも聴き上手になれる!」 傾聴ボランティア講座のアイキャッチ画像

1月30日(月)須磨区役所2階健康教育室で傾聴ボランティア講座「あなたも聴き上手になれる!」が開催された。これからボランティアを始めたい人、スキルアップを図りたい人など47人が参加し、熱心に耳を傾けた。(主催/須磨区社会福祉協議会・須磨区ボランティアセンター)
須磨区ボランティアセンターでは音楽や落語、生活支援・外出介助など40の個人やボランティアグループがあり、ボランティアを利用したい人とつなぐ活動を行っている。この日は一般社団法人「ことばの道」代表理事・安居道子さんを迎え、人間関係をよりよいものにするコミュニティスキル「傾聴」の講座が開催された。
安居さんはまず、脳梗塞などで左の脳が損傷し「思うように言葉が出てこない・言葉が聞こえているのに理解できない」などの失語症で苦しんでいる患者が全国で約50万人おり、そのうち7割が男性だと説明。コミュニケーション(言語+非言語)は相手の辛さを「幸せ」に変える力があるといい、一言の大切さについて話した。
「単語はひとつにまとめる」「一度にたくさん言わない、早く話さない」注意事項の後、参加者はペアになり「目線を合わせ、ゆっくり、はっきり」を意識して、お互いに自己紹介を行った。非言語コミュニケーションについて、聞き上手は距離感が大事で、相手との距離を60センチとると相手が安心することや、「痛い・辛い・泣く」などの感情が出た時には、肩甲骨の鈍感な部分をさすってあげると抱擁感があるとアドバイス。コミュニケーションには特に笑顔が大切で、日頃から口角をあげる訓練や笑顔の研究をし、「自分の一番ステキな笑顔を知りましょう!」と呼びかけた。


「傾聴」について学ぶ講座

聴き上手になるためには「わかちあう、共感する」ことが大切で、そのためには間と温度、さらに、相手のペースに合わすペーシング、相槌や頷き、目線、手や足など全身を使って自分事のように相手の立場に身を置くことが大事だとし「傾聴→受容→共感」が大切で、聴くこと8割、話すことは2割だと提言。「傾聴」はとりわけ「間」が重要。参加者全員で「15秒の間」を体験。「相手の言葉がでるまで待ってくださいね」と待つことの重要性と、相手の気持ちを知るための大切さを伝えた。相手の話を受けとめる「受容」については出来事の前に目を向け、理由を言ってもらえるようになると聴き上手になれる。「共感」には決して否定せず、最後まで相手の話を聴き、事実を言葉として繰り返す「リフレージング」の活用を勧めた。例として相手が「お茶を飲みたくない」と言った場合「お茶を飲みたくないのですねと答えましょう!」と提示した。安居さんは「すぐには聴き上手になれないかもしれせんが、想いやりの気持ちで、とにかくやってみてふり返る、それを何度も繰り返してみてください」と呼びかけた。
15年前に傾聴ボランティアをしていたという参加者からは「失語症の方について知れてよかった」や、遺族ケアをしている参加者から「待つことの大事さを改めて学びました」の感想があった。セラピードッグの活動をしている、けなげ犬活動グループの立壁美由貴さんは「相手の言葉を事実として繰り返すリフレージングをぜひ活用したい」と笑顔。須磨区福祉協議会事業推進課長の大西恵さんは「須磨区以外にも各区にボランティアセンターがあるので、ぜひ足を運んでみてください」と呼びかけた。

カテゴリー