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2022 梅 冬季剪定講習会(兵庫楽農生活センター)

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12月4日(日)「2022 梅 冬季剪定講習会」が兵庫楽農生活センター(西区神出町)の梅園で開かれた。主催は兵庫楽農生活センター。

兵庫楽農生活センターは誰もが気軽に「農」を学び、体験し、実践できる場所としてさまざまな講習会を実施している。今回の「2022梅冬季剪定講習会」もそのひとつ。同センター次長兼酪農交流課長の岩見昌典さんは「農業に少しでも親しんでもらいたい。植物と人間との関わり合いの手助けができる場になればと思い、講習会を開いています」と話した。

当日は南高、白加賀、未開紅、鹿児島紅など96本の梅が植樹された梅園を会場に、同センター元指導員の上吉川純二さんが講師を務めた。上吉川さんはたつの市の西日本一広いと名高い綾部山梅林に携わった経験の持主。

梅の剪定には夏季と冬季がある。夏季剪定は主に、生い茂った枝や葉を切り落として日当たりをよくし栄養を十分に行き届かせる目的で行う。冬の剪定は樹形をコントロールする目的で行う。
梅の樹形は「開心自然形」。林檎や柿の木とは異なり、背丈は高くさせ過ぎずに横に広がりを持たせた、お椀をイメージさせる樹形であると説明。剪定の手順は①骨組みとなる枝を決める②骨組みを邪魔する太い枝はノコギリを使って切る③日当たりを考えて、重なっている側枝や逆向枝を間引く④ハサミを使って結果枝を間引く。

続いて、3種類の剪定方法「切り返し(枝の途中で切る)」「間引き(枝を元から切る)」「切り戻し(枝のあるところまで戻って切る)」を実践してみせる。拳くらいの大きさの切り口には、木工用ボンドを塗ると細菌の繁殖を抑える効果があるとアドバイス。参加者たちは熱心にメモを取ったり、スマートフォンで写真を撮ったりしていた。

基本的には「間引き」と「切り戻し」を使って剪定し「切り返し」は多用せず、必要最小限にとどめるのがポイント。先端が頭でっかちになると日が当たりにくいので、枝の先端ほど狭く、基部ほど広く、枝全体が三角形になるように考えて切ると良いと解説した。一通り剪定方法を説明し終えると、いよいよ参加者たちの実習が始まった。参加者たちはそれぞれに好きな梅の木を選びノコギリやハサミを駆使しながら剪定した。「枝が茶色なので枯れ枝なのか?太い枝だが切り落としてしまっても大丈夫なのか?」などの質問が飛び交っており、その都度丁寧に上吉川さんとスタッフがアドバイスしていた。参加者たちがスタッフの力も借りながら剪定したので、みるみるうちに梅の木は樹高も低くなりスッキリとした見栄えになった。

終了後、参加者たちは実習で剪定した梅の木の枝を持ち帰ることが出来た。実家にある梅の木の剪定に毎年悩んでいるという織田芳枝さん(西区狩場台)は「本で読んでいただけでは理解しづらかったことが、直接質問も出来てとても良かったです」と笑顔で話した。夫婦で講習会に参加の田中康夫さんと弘子さん(加古川市)は「2本の梅の木が道路にせり出して邪魔になってきたので、剪定出来たらと思い参加しました。目の前で見ながら実践も出来て、講師の方もいろいろ話してくれて良かったです」と話した。


上𠮷川純二さん

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