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須磨区

須磨区自然環境講座~須磨のチョウ~

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10月29日(土)、須磨区役所2階健康教育室(須磨区大黒町)で「須磨区自然環境講座~須磨のチョウ~」が開催され、参加者35人が耳を傾けた。 (主催/須磨区役所)

須磨区では区内にある海・山・川の恵まれた自然環境を市民に知ってもらい、興味をもってもらおうと「須磨区自然環境講座」を開催している。第1回目は奥須磨公園でトンボ観察を行い、今回の「須磨のチョウ」は2回目の講座となった。

語り手は須磨離宮チョウの会・代表の谷本祥二さん。谷本さんは、チョウの魅力をひとりでも多くの人に知ってもらおうと、須磨離宮公園の中にバタフライガーデンをつくり活動を続けている。谷本さんの話は「チョウとは?」から始まり、10の項目について順番に説明があった。まず、チョウを数える単位は「頭(トウ)」であること。日本には270種類のチョウが生息し、神戸には82種類、須磨区では70種類が確認されている。

谷本さんは50種類のチョウを須磨離宮公園内に呼び込もうと、2015年からバタフライガーデンの整備を開始。50種類の蝶に対応して植草・植樹を約50種類、チョウが好きなフジバカマやランタナなどの吸蜜植物25種類を植え、現在園内には49種類のチョウが生息するようになった。チョウの卵100~2000個のうち、わずか2個しか成虫にならないことや、チョウの文様は雨が降っても水をはじく鱗粉でできていること。また、チョウの種類によって成虫の期間はさまざまで、短いチョウで2週間、最も長いヒオドシチョウは10カ月だという。アリに育てられるチョウ、台湾から東北まで旅するアサギマダラについても詳しく話があった。

会場には漫画家の手塚治虫さんの弟である手塚浩さんと、谷本さんが大阪昆虫同好会に所属し交友関係にあることから、手塚治虫さんが中学時代に描いたという昆虫の絵などの貴重な資料の展示があった。神戸市内に生息するすべてのチョウも展示され、参加者はチョウの美しさに感動し見入っていた。

天井川でチョウを採集している谷本さんの姿を見てチョウに興味をもったという、竜が台から参加の岡妙子さんは「チョウの標本を見て、1頭1頭が輝き、こんなにきれいなんだとワクワクドキドキした」と感激。虫嫌いだったが、コロナ禍で虫に興味を覚え、昆虫図鑑を購入し、昆虫観察に夢中となり「あなたは虫嫌いですか?」という本まで作成したというイラストレーターの松本登志子さん(須磨区妙法寺)は「アサギマダラは春に淡路島にいるなどの図鑑に書いていない話も聞けて、大変おもしろかった」と笑顔を見せた。

谷本さんは「バタフライガーデンでは世代交代したさまざまなチョウが生息しているので、ぜひ天気のいい、風のない日に見に来てください」と呼びかけた。

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