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第8回 神戸市西区 ご近所支え合いサミット

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10月31日(月)、「西区制40周年記念協働事業 第8回 神戸市西区 ご近所支え合いサミット~選ぶ支え合い、選べるつながり~」が西神中央ホール(西区美賀多台)にて開催され、事前に申し込みをした約200人が参加した。
主催/神戸市西区社会福祉協議会

コロナ禍で実感した「支え合い」と「つながり」の大切さ。多様性が求められる時代に、これからの地域福祉のカタチについてをテーマに行われた。進行役は関西大学・名誉教授で神戸市民福祉大学・学長の松原一郎さん。

第1部は「株式会社タブノキ」代表・深山直樹さんの活動実践報告があった。同社は赤ちゃんも高齢者も、障がいのある人もない人も皆で一緒に暮らす居場所「みんなの家 タブノキ」を長野県小諸市で運営。古民家を自分たちで改修しながら事業所を手作りし、暮らし方も自分たちで作っていく生活をしていると話す。「お互い様であるから」の気持ちを基にして、皆が役割を持つことで自分の居場所を作り、自己肯定感を高めているという。管理的にならないように「時間割」を作らず、毎日の体操などもやりたくないと思ったことはしない。皆が平等であるために一方的な力関係を作らない、利用者に対しても来る人は誰でも拒まず、また出ていく人も引き止めないことなどを取り入れている。課題もあるが、それぞれの課題に向き合いながら地域の人たちや周りの人たちに助けてもらいながら暮らしていると話した。

続いて第2部。西区王塚台にある「コミュニティカフェRico(Ricoはスペイン語で豊かな意味)」の管理者である社会福祉法人かがやき神戸の佐々木妙さんが登壇した。同カフェは「障がいのある人と地域の交流」と「工賃の向上」を目的とし、10年ほど前に開設された。カフェでは障がいのある利用者が接客、配膳、調理の盛り付けや洗浄と、さまざまな仕事を職員と一緒にしている。地域への貢献として、給食の宅配や、コロナ禍前には定期的にカフェのスペースを提供してイベントや教室を開催し、年に一度は地域の祭りにも出店している。より幅広い地域交流として西区社会福祉協議会との繋がりについても説明。KOBE WEST NET(西区自立支援協議会)などと繋がり、西区総合庁舎内のイベントスペースの「こべや」にてほかの作業所とともにお弁当やクッキーの販売を月6回程行っている。今年からは西区社協の地域のネットワーカーと地域課題となるひきこもり支援にも協力し、カフェを講習や家族交流会の場に提供し社会支援に繋がればと考えていると話した。

次に、神戸市西区社会福祉協議会・生活支援コーディネーターの野﨑圭子さんが都市型ならではの居場所のあり方を作るために大切な3つのテーマを話した。1つ目は「参加者側の役割を生み出すこと」。利用者が居場所で今までの人生経験の中で得たスキルや趣味を生かせることで、生きがいや自分らしさに繋がり地域のプレイヤーが増え居場所の活性化になる。2つ目は「居場所に多様な団体が関わること」。活動中にさまざまな課題が出てきた際に、社会福祉法人、施設、事業所などが無理なくサポートし合える関係を築けていれば居場所の継続に繋がる。3つ目は「居場所の選択肢を増やすこと」。自分の生活スタイルや状況に合わせて「つながり」を選べること、自分が行ってみたいと思えるような居場所を作ること。

登壇者2人の話を受け、進行役の松原さんは「人と人との関係を作り出し、繋がり、我々自身が社会資源となることで、今までの常識を超えた新たなことができる。ソーシャルワークはアートである。これからも人生のお手伝いをしていきたい」と締めくくった。

同時開催の「はっぴ~にしNIKO SHOP」に出店していた西区障害者地域生活支援拠点スマイルなでしこのスタッフ、松本さん(西区井吹台)は「利用者様の生産活動品を多くの方に見て頂きたいです。いつもは西区役所のこべやにて販売しているので、そちらにも足を運んでもらいたい」と話した。

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