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須磨区

神大大学院保健学研究科 市民講座

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10月8日(土)、9日(日)の両日、神戸大学大学院保健学研究科(須磨区友が丘)で「最新の研究から家庭の保健・医療へ」と題した市民講座が開かれ、事前申し込みをした市民や学生が参加した。

8日の2講義目は、同大学認知症予防推進センターの吉本雅彦名誉教授による「認知症予防事業『コグニケア』」で、独自に開発された予防プログラムの「コグニケア」について紹介された。

コグニケアとは、コグニション(認知)とケア(世話、手助け)を組み合わせた造語。その内容は、「頭と体の運動教室」「健康や認知予防に関するセミナー」「健康状態の見える化」という3つのアプローチを連動させて健康寿命の延伸を目指す、三位一体型の健康増進プログラムだという。
「頭と体の運動教室」では、ストレッチや筋トレを組み合わせた全身運動や、運動と脳トレを組み合わせる二重課題運動などを行い、グループコミュニケーションも図る。「健康や認知予防に関するセミナー」では、同大学教授陣による専門情報講義が受けられ、「健康状態の見える化」では、認知機能検査や採血による健康度評価などが受けられる。 国内における65歳以上の認知症患者は、現在630万人以上で、2025年には5人に1人の約730万人に及ぶと予測されている。発症までに10年から20年かかるので、発症する前に日常生活の見直しを行い、多面的に予防することで発症を遅らせ認知機能維持を目指す。

同大学と丹波市は共同で国家プロジェクトの認知症予防研究を実施している。「頭と体の運動教室」を開き、生活習慣病の管理、認知機能トレーニング、栄養指導を行ったところ18カ月間で注意力や集中力、反応速度などにおいて認知機能の向上が見られたと、グラフや動画で示された。

2018年から始まった市内の「頭と体の運動教室」は対面で行っていたが(拠点集合型)、コロナ禍の直撃により自宅からオンラインで参加できる「eコグニケア」を開始。全国各地からの参加者が増え「今ではバンコクから参加している人も2人います」と話す。「eコグニケア」には、有酸素運動や筋トレ、ヨガなどのジム教室に近い「オプション運動クラス」やウェラブルセンサーを利用する「デジタル体力測定」があり、セミナーもオンラインで受講出来る。また、チャットを利用して季節の写真や地域のイベント情報などを投稿する交流も好評だと紹介された。
須磨区友が丘から参加した主婦は「コグニケアの効果について今後も注目していきたいです」と話した。

◆拠点集合型「コグニケア」教室、オンライン型「eコグニケア」(各定員20人、要受講料)
詳細→コチラ
問い合わせ先/コグニケア事務局(平日午前10時~午後4時)
TEL070(2455)6397

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