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西区

認知症サポーター養成講座

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「認知症サポーター養成講座」が、9月26日(月)西区文化センター(西区糀台)にて開催され、23人が参加した。主催/神戸市社会福祉協議会

認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族への対応についてなどを学ぶことができる講座。毎年市内9区で開催されている。この日の講師は社会福祉法人神戸中央福祉会・山手さくら苑の施設長で神戸市認知症介護指導者の野尻信一郎さん。


野尻信一郎さん

全国の人口の高齢者化率29・1%のうち(前期高齢者13・6%後期高齢者15・5%)後期高齢者が増加してきている。そして2025年問題(団塊の世代が75歳以上になる)や、少子化問題などで今後も高齢化率があがることにふれ、懸念されるのが、日本の認知症施策の動向。認知症神戸モデル(早期受診を支援する診断助成制度、診断されると事故救済制度に登録できる)について説明があった。
認知症の予防はまず、病気にならないように、そして病気になっても進行しないように、また行動・心理症状が出ないケアが大事。早期受診・早期治療が大切で認知症の進行を遅らせる薬がある。脳血管性認知症の多くの原因である脳梗塞なども薬で予防できる。
脳を活性化させるためには食事・睡眠・運動が大切で、とくに睡眠中はアルツハイマー病の原因とされるアミロイドベータが貯まるのを掃除してくれる性質があるという。また、体を動かしながら頭を使う認知症予防運動も予防と健康促進になるので、たとえば散歩をするときは「無」にならず、いろいろ考え事をしながら歩いたほうが良いと話した。なかでも脳の活性化に一番良いのが、自分の楽しみ、夢や喜びを持つこと。介護ケアの場では、そういったことを見つける手助けを実践している。
認知症の人への支援・サポーターの考え方については「人を中心においたケア」。認知症という病気に目がいくが「人」その人らしさ(パーソンセンタードケア)が重要。認知症の人が穏やかな生活をおくるために偏見をもたず、その人の気持ちを大切にし、ストレスをかけないように否定せず説明する。相談窓口への橋渡しや、家族で抱え込む人をみかけたら手を差し伸べてほしいと話した。認知症は、対応の仕方によって症状が変わるため、特に人生の最終ステージにおられる高齢者の方々に少しでもより良い生活を送っていただくようケアの質を大切にしたいと野尻さんは講座を締めくくった。
西区春日台から参加の岩崎智子さんは「近所で気になることがあり、認知症の人の対応をしたことがあった。サポーターになることで周りに情報を伝えることが出来るし、自分自身も情報を共有した人に対応してもらえる。早期に適切な行動をとることが出来るように役立てていこうと思います」と話した。
神戸市社会福祉協議会福祉部福祉事業課の須見文音さんは「今回の講座は、認知症の基本的な内容ですが、実際に介護をされているご家族、介護に迷っている、近所に心配な人がいる、さまざまな思いでみなさん参加されています。ボランティア活動につながり地域で支え合う輪が広がれば本当によいと思います」と話した。
神戸市では行方不明になるなど生活に心配がある高齢者を事前登録する神戸市高齢者安心登録事業があり、捜査協力者に認知症サポーターは登録することが出来る。早期発見につながり、高齢者とその家族の安心にもつながる。

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