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須磨区

第4回須磨区ひきこもり支援意見交換会

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8月22日(月)須磨区役所(須磨区大黒町)で「第4回須磨区ひきこもり支援意見交換会」が開かれ、オンライン受講も含め須磨区民生委員ら36人が参加した。
(主催/神戸市須磨区社会福祉協議会)
須磨区社会福祉協議会では社会問題化しているひきこもり支援について、地域社会で取り組んでいこうと民生委員や児童委員、主任児童委員らと毎月意見交換会を実施。3年目となる今年度のテーマは社会全体の課題である「社会的孤立」。高齢社会における8050問題やワンオペ育児、発達障がい、不登校など毎月題目を決め講師を招いて知識を深めたりグループワークを行っている。また、今年度はオンライン受講が可能な環境設備を進めており、偶数月の公開講座は民生委員以外の参加も募っている。この日は上田智也さん(神戸市福祉局こども・若者ケアラー支援担当課長)を講師に迎え「こども・若者ケアラー(ヤングケアラー)の実情と支援」と題した講演が行われた。
「ヤングケアラー」とは一般に本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子どもと位置づけされている。神戸市では支援を進めていくにあたり、18歳未満の子どもだけでなく20代も含めて施策の対象にしているため「こども・若者ケアラー」と名称にしている。上田さんはヤングケアラーの具体例を紹介し、増加する背景として老老世帯や一人親世帯、要介護者の増加などが要因で孤独・孤立が深刻化していると話す。「ヤングケアラーは当たり前の手伝いと思っていることが多いが、手伝いとケアラーは違う」と3つのポイントを挙げた。①保護者が見守りをしてくれているか②友だちと遊ぶ・勉強などの行動と両立できているか③今日はしたくないと拒否の選択が認められるか。「自分がやらないことで日常が回らない。このレベルはケアラーです」と断言する。
神戸市ではこども・若者ケアラーを早期発見し支援する取り組みとして令和2年11月にプロジェクトチームを立ち上げ、準備期間を経て翌6月に全国初となる相談・支援窓口を設置。また、主に高校生以上の当事者同士が交流・情報交換できる場「ふうのひろば」も開設した。今年8月からはこどもケアラー世帯への訪問支援事業も予定され相談・支援体制がすすめられている。上田さんは「まずは存在に気付き一声かけて見守り、寄り添うこと。『大丈夫』の言葉に安心せず『こども・若者ケアラーではないか』という視点で改めて本人やその家族を見直してください」と締めくくった。
・民生委員 女性50代 「多機関で連携してヤングケアラーをいち早く発見して支援していかなければと強く思いました」
・主任児童委員 女性50代「それぞれの家庭が抱える事情は多岐にわたるので、注意して見ていきたいです」


講師の上田智也さん

※こども・若者ケアラー相談・支援窓口
電話(361)7600
・時間…平日午前9時~午後5時(祝日・年末年始除く)
・場所…神戸市立総合福祉センター1階

※ふうのひろば
・日時…毎月第2土曜日の午後(2時間程度)
・場所…神戸市青少年会館(オンライン参加可能)
・対象…概ね16歳~30歳(神戸市在住・在勤・在学の方)
・参加費…無料

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