スポーツ栄養学 市立西体育館(西区春日台)熱中症対策 & 栄養満点スポーツめし
6月18日(土)、市立西体育館(西区春日台)の会議室でスポーツ栄養学「熱中症対策&栄養満点スポーツめし」講座が開かれた。新型コロナの影響で昨年は開催されず1年ぶりの開催となった。
主催/神戸市立西体育館
当日の講師は、管理栄養士で健康運動指導士でもある黒木真知子さん。黒木さんは8年の病院勤務を経て、現在は運動と栄養をサポートする活動を行なっている。
暑さを乗り切る水分補給と栄養の取り方をスライドを用いながら解説した。はじめに、脱水・熱中症予防の水分摂取について説明。脱水になると体から水分が少なくなり、体温、心拍数の上昇や血流が悪くなり、頭痛・心疾患・脳血管疾患の原因にもなり、筋痙攣(足がつるなど)、熱中症などが引き起こされる。脱症状にならないためには、毎日の水分摂取のタイミングに気を付けることが大切。起床時・外出前後・運動前後・入浴前後・就寝前に水分補給を心掛ける。水分補給源は、カフェインを含まない水やお茶(麦茶・ほうじ茶など)や、味噌汁、野菜、果物、ごはん(お米)、牛乳など。熱中症予防として必要な時にはスポーツドリンクが適している。
熱中症予防対策として、「ウォーターローディング」を推奨した。ウォーターローディングとは、定期的に水分補給を行うことで、細胞内外を十分な水分で満たしておくという考え方。運動中に水分補給をするだけでは不十分なので、運動前・運動中・運動後に水分補給をする。発汗によって水分だけではなく、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも失われるので補給を忘れずに。屋内屋外にかかわらず、熱中症の症状かな?と思った場合には無理をせずに、休息を取り、冷却と水分補給(スポーツドリンク)をする。環境省のサイトで熱中症のリスクを示したWBGT(暑さ指数)が発表されているので、外出や活動の際にはチェックするのもおすすめと話した。
黒木真知子さん
黒木さんは「最近、頻繁に熱中症のニュースを耳にするが、コロナ禍においてのマスク着用だけの問題ではない。熱中症に対しての知識があるかないかで大きく変わり、熱中症の初期段階で気が付かず、対処できないことも問題。熱中症に対しては個々に関心や知識を持てる環境を整えていけば、これからの予防対策に繋がる」と語った。
続いてスポーツに必要な栄養素について。栄養素の働きから食品を3色のグループに分ける。黄色は炭水化物・脂質、赤色はタンパク質、緑色はビタミン・ミネラル。この3色を毎日毎食揃えて取り入れることでバランスの良い食事が取れる。タンパク質で体を作り、疲労回復・けが予防にはビタミンA・C・Eを取り入れ、ミネラル補給には豆・ごま・わかめ・野菜・魚・椎茸・芋などで積極的に摂取する。食事にプラス「良質の睡眠」をとることも大事。
講座の終了後には質疑応答があり、参加者たちは疑問や悩みを話した。西区美賀多台から参加した女性は「こうでなければならないというのではなく、目指す目標の立て方がとても良かったです。黒木さんご自身の身近なことからの具体例や説明もあり、分かりやすかった」と話した。市立西体育館・体育館主任の横山徹太郎さんは「今回の講座で市民の方々の健康促進にアプローチ・貢献ができればと思い開催しました。参加者も熱心な方々で良かったです。講座内容も良いので次回はもっと多くの方々に受けてもらいたい」と話した。