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須磨区

市民フォーラム 福祉教育講演会&表彰式

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2019年1月23日号【須磨区・西区版】掲載

12月15日(土)兵庫県看護協会ハーモニーホール(中央区下山手通)で「市民フォーラム 福祉教育講演会&表彰式」が開催され、約300人が参加した。(主催/ふれあいのまちKOBE・愛の輪運動推進委員会、神戸市、神戸市社会福祉協議会)

神戸市は障がいのある人もない人も共に生きる社会を目指し、一般市民に向けてさまざまな障がいの知識や理解を高めることを目的に年2回ほど市民フォーラムを開催。講演会やディスカッション、映画の上映会を実施している。

第1部は福祉教育の一環として募集した福祉体験作文やポスターの受賞作品の発表、展示および表彰式を行った。第2部の福祉教育講演会では、北京五輪陸上男子4×100mリレーで銀メダルを獲得し、神戸市出身で神戸大使も務める朝原宣治さんが「今の自分が未来の自分を変える」と題して講演した。

最初に朝原さんを紹介する映像が流れ、男子トラック種目で史上初のメダル獲得となった北京五輪のシーンが映し出されると会場から大歓声と拍手が沸き起こった。結果が繰り上げで銀メダルとなったことが数日前にメディアによって報じられたことにも触れ「ドーピング違反は許されることではない」と強い口調で表明した。

朝原さんは1996年アトランタ五輪から4大会連続の代表入りを果たした。「自分が現役の時は『金メダル』なんて口にできないぐらい遠い世界だったが、今の世代は世界で闘える自信を持ち、東京五輪で目指すと明言している。挑戦し続けることで競技レベルが上がったことは素晴らしいこと」と話した。リレー競技で世界一と称される日本のバトンパスについては互いの信頼の上に成り立っていると断言した。

ドイツ留学を決意したとき、新しいことに挑戦するのは勇気がいるが自身の可能性を信じ挑んだという。多様な価値観を受け入れることは容易ではなかったが、指導者と選手との間のコミュニケーションの重要性、ハングリー精神など多くを学んだという。ケガで挫折を味わい、もがいた時期からの復活エピソードやオリンピックの裏話など興味深い話が続いた。

引退後は陸上競技クラブを設立し、次世代育成に力を注ぐ朝原さん。「目標があれば生活も変わる」と自身の経験を交えて話し、今後も「スポーツを通じていろいろな人のコミュニケーションの場づくりをしたい」と語った。福祉体験作文中学生の部で最優秀賞を受賞し朗読を披露した大東廉くん(歌敷山中1年)は陸上競技部に所属。「バトンパスの話に感動した。仲間を信じて練習に取り組みたい」と目を輝かせながら話した。

朝原宣治さん

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