「今さらちょっと聞きにくいSDGsについて教えましょう。」ふたば学舎2階2ーA多目的室(長田区二葉町)
3月24日(日)、ふたば学舎2階2ーA多目的室(長田区二葉町)で「今さらちょっと聞きにくいSDGsについて教えましょう。」が開催され、参加した市民は熱心に耳を傾けた。(主催/ふたば学舎)
「海と空の約束プロジェクト」代表の西谷寛さんを講師に迎えて「誰にでも分かるSDGs初級編」をテーマに「小さな活動から始まる持続可能な未来」と題した講演会が行われた。
西谷さんは明石市在住の元神戸市職員。環境部局で環境問題に取り組み、環境省ではゴミ問題を担当した。退職後は、環境教育を考える「海と空の約束プロジェクト」代表として、未来の世代まで続く環境教育や、川や海のクリーン作戦&観察会&絵本の読み聞かせなど環境保全活動を積極的に展開し、SDGsを推進している。SDGs(エスディジーズ)とは、貧困・飢餓・環境問題など世界共通の17の目標、169のターゲットからなる持続可能な開発目標。2015年9月に国連サミットで採択され2030年までを期限とする。
私たちが直面しているさまざまな課題を解決するためには政府、企業、地域や個人が力を合わせる必要があり、国がSDGs推進のための未来都市を都道府県、自治体から選んでいる。明石市もその一つで市は2021年より「あかしSDGsパートナーズ」事業をスタートし、会員を募集している。西谷さんは早々に同プロジェクトの登録を申請。他には神社や学校、企業など79団体が登録している。
西谷さんは多くの実践の中から17の目標の内どの項目に当てはまるかを説明。まず、「SDGsの小さな活動から始まる持続可能な未来」の例として、流れ着いたゴミに埋め尽くされた明石の望海浜の写真を見せた。4年前、西谷さんがひとりでゴミ拾いを始め、市民や行政を巻き込んでいった結果、今ではゴミのない海岸になったという。「SDGsは国や市だけのことではなく、個人や市民、団体が考え行動できるように、と考えられたもの」と伝えた。
「大学時代に屋久島近くの口永良部島((くちのえらぶじま)で生活をしながら水産学、魚類生態学を学んだことが活動の原点になっている」と西谷さん。人口130人の島にはスーパーやコンビニはない。島の事業は子どもを含むみんなで行い、自然に畏敬の念を払う。経済的には厳しいがゆったりと豊かな持続可能な暮らしがある。それはライフスタイルのヒントがあるSDGsの17番「パートナーシップ」にあたる場所だと話した。
環境問題では「エネルギーの使い過ぎ、ゴミ問題など市民が環境問題の発生源で、加害者であり被害者」と話し、海の環境保全の取り組みも紹介した。2人の娘のために描いたという自作絵本「海と空の約束」は、世界14言語に翻訳され、JICA(ジャイカ国際協力機構)や外国へ行く学生に託し、世界の子どもたちに届けている。西谷さんは「ぜひホームページで私の活動をチェックしてください」と呼びかけた。 参加者は「最近テレビなどでよく耳にしていたが、具体的な活動を聞くことができて身近な活動だったとわかった。友だちなどに広めていきたい」と話していた。
※「海と空の約束プロジェクト」https://umisora.pro