マリンピア神戸にエコアート作品展示
3月31日(木)まで、三井アウトレットパーク・マリンピア神戸(垂水区海岸通)に、須磨海岸で拾ったプラスチックごみで作ったエコアート作品「マキコム プラごみ水族館」が展示されている。多くの人の手によって完成した水族館をイメージした作品を、訪れた買物客らは足を止めて楽しんでいる。(主催/神戸市環境局環境政策課)
世界の海に流れ込むプラスチックの量は年間約800万トン、このままでは2050年には海に住む魚の重量を超えてしまうといわれている。そこで神戸市では地球規模で問題となっている海洋プラスチックごみ問題について、よりたくさんの人に知ってもらい、考えてもらうきっかけになればと、海洋プラスチックごみを使ったエコアートの制作を、デザインやアクションで社会課題解決を行う「一般社団法人オンド」(東灘区)と企画。ワークショップを多数開催しているアートユニット「マキコムズ」のマスダマキコさん、カワサキマキさんに協力を依頼した。
プラごみアートづくりのため、地元須磨の鷹取中学校、高倉中学校2年生、須磨海岸でビーチクリーン活動を行っているNPO法人神戸海さくら、ごみ拾いとランニングを組み合わせた新しいスポーツ「プロギング」のイベント参加者が須磨海岸でごみ収集に協力。大量のごみの中からタバコやライター、ストローなど危険なものや不衛生なものを分け、きれいに掃除する役割をオンドで環境活動を行う大学生プロジェクトメンバーが担当した。「プラごみ水族館」の制作場所はふたば学舎。昨年11月20日から公開制作が始まり、11月28日にはイベント「まちの文化祭」があり、 そこでワークショップ 「マキコムズと作ろう。マキコム プラごみ水族館」を開催。多くの親子連れや一般市民が参加し、カラフルなプラごみを色分けしたり、自由なデザインでさかなのウロコをニスで固めて作ったり、海の生き物を作ったりした。その後も公開制作は続き、ついに2月10日完成、久元喜造神戸市長も駆けつけた。
2月には神戸ハーバーランドumieで展示、3月末までマリンピア神戸のファクトリーアウトレッツセントラル1階正面入口共用部通路で展示中。4月1日からは神戸市役所1号館で展示される。その後の予定は「GO GREEN KOBE」のホームページやSNSで発信。最後はごみをごみにしないようウロコをアクセサリーやバッジなどにリユースするという。企画したオンドの運営・中川聡子さんは「私たちの暮らしにプラスチックは欠かせない」と語り、「この作品をひとりでも多くの人に見てもらうことで、ごみの分別など一人ひとりの心がけが大切ということに気づいてほしい」と呼びかけた。
現在シンガポールに在住、コロナで2年半ぶりに淡路島への里帰りが叶ったという柿原美紀さん(38歳)は「プラごみをアートにする発想は面白いし、環境にもいいですね。子どもと一緒に海岸を歩きながらプラごみを拾って、何を作るか一緒に考えるのもきっと楽しいと思います」と話し、長女の愛菜さん(5歳)は「きれいでスゴイと思った。大きなお魚やハリセンボンを作ってみたい」とかわいい笑顔をみせた。