須磨友が丘高校 カードゲーム「神戸王」制作
県立須磨友が丘高等学校(須磨区友が丘)の学校設定科目「日本の地域」の授業で学習発表会が2月22日(火)に開かれた。
この科目は日本各地の地理的な問題や歴史、産業について学ぶ授業で2年生9人が履修。昨年9月から神戸の特色や特産品について遊びを通して学ぶことができるカードゲーム「神戸王」の制作に取り組んできた。このカードゲームの元は新潟県佐渡市をテーマにした「知域王(ちいきおう)」というゲームで、神戸版を作成することで改めて地元神戸について知ろうというもの。「知域王」開発者の田宮翔さん(愛宕商事株式会社)からのアドバイスや神戸観光局の担当者による出前授業も実施し、準備をすすめてきた。
カードゲームの遊び方は、山札から並べられた地域カードを手札のナンバーカードを使って取り合い、集めたカードの色やマークなどでポイントを競う。地域カードは「歴史・伝統」「景観・観光」「グルメ」「アラカルト」の4テーマ計48種類。神戸牛・そばめし・ケミカルシューズ・五色塚古墳・六甲山牧場などカードに写真とともに簡単な説明文を添えた。
また裏面のQRコードを読み込むと、さらに詳しく調べることができる工夫も。ナンバーカードはポートタワーをモチーフに計60枚それぞれに神戸の豆知識を記載した。ゲーム性を高める関連カードには「楠木正成と湊川神社など地域の繋がりも取り入れた」と話すのは丸尾和真さん。カードの絵柄を担当した岩本萌果さんは「神戸らしさにこだわりながらシンプルに仕上げた」と海や山に囲まれた神戸の風景を描いた。
この日は生徒による活動報告があり「神戸発祥のものが多くて驚いた」「神戸は自慢の街。多くの人に知ってもらいたい」と神戸の魅力を再認識。吉田颯さんは「地元の人しか知らない観光地や情報は調べるのが大変だったが自分も知ることができた」と活動を振り返った。実際に「神戸王」のゲーム体験も行われ、盛り上がりを見せた。オンラインで参加した田宮さんは「カードの完成度に感動した。みんなが改めて地元の良さを感じてもらえたのがうれしい」と話した。講師として参加した福知山公立大学地域経営学部の谷口知弘教授は「素晴らしいカードを次世代に残して欲しい。シビックプライド(都市に対する市民の誇り)を感じた」と称賛した。
谷口教授による「コミュニティをデザインしよう~地域社会を元気にする、持続可能なまちづくり」と題した講演会も開かれた。最後はスモールビジネスの体験として地域資源を活かすコミュニティ・デザインのワークショップを行った。グループに分かれてアイデアを出し合い、地域資源を組み合わせた活動内容をまとめて発表した。
総合学科推進部の岩本和也教諭は「神戸のまちに愛着を持ち続け、地域に関われる人になって欲しい」と語る。今後は生徒たちが「神戸王」を通して小学生たちに神戸の魅力を発信する取り組みが予定されている。