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垂水区

五色塚古墳を舞台にしたアニメMV公開

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神戸市と東宝がプロジェクトを組み、垂水区の五色塚古墳(垂水区五色山)を舞台にしたアニメーションミュージックビデオ「ワンダリズム きみを呼ぶ声」を制作した。3月末より配信開始(youtubeで公開)する。

さまざまな映画作品を製作・配給してきた東宝株式会社の自社アニメレーベルとして2012年に設立されたTOHO animation。10周年を迎える同レーベルが挑む新たなアニメプロジェクトは目の前にある地元を見つめ直し、新たな価値観を見出そうとする「地方から生まれる物語」がテーマ。神戸は日本映画発祥の地の1つであり、映画と関連の深い街。しかし、お洒落で異国情緒あふれる港町や異人館ではなく、意外にも「古墳」が選ばれた。

五色塚古墳は、古墳時代4世紀後半に築造された兵庫県下最大の前方後円墳。成り立ちや埋葬されている人物が不明など数多くの謎が残る。また、全国でもめずらしい海に面した立地、住宅に囲まれ時空の歪みから突如現れたような異様な佇まいが特徴の〝ミステリアスすぎる巨大古墳〟。そのミステリアスさが若きクリエイターの創作意欲をかき立てたことで、奇想天外なSFファンタジー作品が生まれた。
アニメーションの原案・コンセプトデザイン担当は「しの 」。人気アーティストのMV監督に抜擢されたり、独特の世界観で今注目のアニメーター。楽曲は若者の間で人気のピアノロックバンド「HOWL BE QUIET」が、今回のプロジェクトにあわせた新曲「Wonderism(ワンダリズム)」を書き下ろした。「宝石の国」「HELLO WORLD」など、数々のアニメーション作品を手がけた武井克弘がプロデューサーとして、アニメーションと楽曲を掛け合わせた物語を作り上げた。
今回の物語はこれまでの地方創生ムービーとは一線を画す「ともに育てていく」プロジェクト。地域の良さを話題性のある見せ方で一挙に多くの人に知ってもらう前提ではなく、一人ひとりの心を動かし、ファンを創り、ともに物語を育てていく「きみと育ててゆく物語」がコンセプト。今後地元企業や市民たちとさまざまな形でのコラボを企画し、SNSで情報発信していくという。

垂水区役所まちづくり課係長・古林友里さんは「五色塚古墳は最近パワースポットとして注目されつつあるものの、まだまだ知られていないのが現状。この作品をきっかけに多くの人たちが訪れるアニメ聖地となり、神戸全体を盛り上げていくことができれば」と期待を込めて話した。

◆公式ホームページ https://www.wonderism-kobeproject.com

《ストーリー》
遠い未来。かつての文明は失われ、全ては海の中へと消えてしまった世界。
人々は船を繋ぎ合わせた巨大な浮島で船上生活を送っていた。
フジツボ取りやペンギンの世話などをしながら船上生活をする、主人公【なつしま】は、この世界を飛び出し、未知なる大冒険に出ることに憧れを抱きつつも、何も変わらない、いつもの日常を過ごしていた。
ある日【なつしま】は、突然、空から落ちてきた不思議な石を見つける。
船上生活では見たこともないその石に“何か”を感じた【なつしま】は、導かれるように、海へと飛び出す。そこに待ち受けていたのは世界のある“秘密”だった――。

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