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垂水区

学ぼう!考えよう!『くらしの防災』

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阪神・淡路大震災から27年を目前にした1月15日(土)、シーサイドホテル舞子ビラ神戸(垂水区東舞子町)で「学ぼう!考えよう!『くらしの防災』」と題した防災イベントが開催された。
コロナ禍における防災対策についての講演と、参加者同士が防災に対する意見を交換しあうワークショップを通じ、参加者たちが防災意識をアップデートするよい機会となった。(主催/神戸市垂水防火安全協会・神戸市垂水消防署)

当日は一般応募の市民、県立舞子高校環境防災科の生徒、垂水区婦人防災安全委員、垂水区防災福祉コミュニティ、神戸市垂水消防団、垂水消防署などが参加。各団体のメンバーが場内の15のテーブルに分かれ、各テーブルに高校生や消防団、防災福祉コミュニティの面々が顔を揃えた。

はじめに、総務省消防庁消防大学校消防研究センター地震等災害研修室・主任研究官の大津暢人さんによる「コロナ禍7つの震災対策〜家庭や職場で命を守る72時間〜」と題した講演が行われた。今年で新型コロナウイルスの流行から3年目に入り、従来の災害対策のみならず感染症対策が求められる時代であることを強調。その上で「ハザードマップの確認」や「分散避難先は事前に決めておく」など7つの項目に分けて言及。感染が気がかりで避難所に行くことを避けた結果、自宅で災害に遭うケースもあり、「災害時は躊躇せずに避難を」と呼びかけた。各テーブルに人数分用意された垂水区のハザ ードマップを広げ、大津さんの指示のもと自宅や親類宅、職場や学校、買い物など日常的に出向くことの多い場所に印をつけ、そこへ向かう経路に土砂災害や水害の警戒区域が含まれているかを確認。ハザードマップは毎年6月に全戸配布されている。 「家庭でも、自宅の場所と最寄りの避難場所を確認するなど活用してほしい」と呼びかけた。

続いて「地震発生時、家族全員が生き残るために地震前にどんな話し合いが必要か?」のテーマに沿って各テーブルでワークショップを実施。それぞれのテーブルで出た意見やアイディアをメモに書き留め、集まった意見をまとめてグループごとに発表した。どのテーブルも活発な意見交換が行われ、次々に手が挙がった。「家庭で災害時の避難場所を話し合い、避難経路を実際に歩いて確認しておく」、「LINEの情報共有システムSIP-KOBEや災害用伝言ダイヤルを周知しておく」、「ハザードマップを写真に撮ってスマホに保存しておく」などの具体的な意見が出された。また、「自分が率先避難者になり地域の人を避難に誘導する」、「日頃から地域の防災訓練に参加する」、「家庭でも地域でもコミュニケーションをとる」など、家庭内に止まらない意見やアイディアもあった。大津さんは「どれも正解。次に起きる災害は以前にあった災害と同じではない。いろいろなパターンを持っておくことが大切」と締めくくった。

主催の垂水消防署総務係長の柏原隆志さんは「異なる世代、異なる立場の人たちが一緒に防災について考え意見交換し合うことで、より具体的に対策を講じ、それが行動につながる。そういう機会をこれからも積極的に作って行きたい」と語った。
会場内には段ボールで作った簡易トイレや新聞紙で作ったスリッパ、温めずそのまま食べられる防災食なども展示され、参加者は熱心に見入っていた。

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