神戸星城高等学校 コンピュータ部
神戸星城高等学校(須磨区緑が丘)コンピュータ部が8月に愛知県名古屋市で開催された「第35回全国パソコン技能競技大会」の情報処理技能競技で、見事団体・個人のダブル優勝を果たした。
同校はこの大会で団体で2連覇(14回目)、個人部門では5年連続(12回目)の優勝となる。3年生を含めた53人の部員は、全員高校入学後に初めて表計算ソフトを扱い始めたという。同大会に参加するには、情報処理検定1級取得済みという条件があるため、新1年生が入部すると部員一丸となってまずは検定合格に向けての練習に取り組む。部室には、練習問題を解くパソコンのタイピング音が響き、タイムキーパーが解き終えて手を挙げた人のタイムを計る。
副部長の和田夢果さん(2年)は「近くでとても早く手が上がると焦るが、張り合いがでる」と話し、「部員みんなが仲良くて、メリハリがあるこの空気感が大好き。月に1回ある部内の競技会でいい結果を残せれば、全国レベルでの技術が身につくところが魅力」と語った。
今回個人優勝を果たし、文部科学大臣賞に輝いた岩切隆さん(2年)は「毎日、自ら朝練を1時間、学校が閉まる夜8時前まで練習をする。楽しくて夢中になっている」と話した。「今回の全国大会で作表点は満点、速度得点は76点だったが、来年の全国大会ではどちらも満点を取りたい」と意気込む。岩切さんは、誤入力がなく作表点が満点の人に与えられる正確賞も中田小羽玖さん(3年)とともに受賞。
処理速度が速いのが持ち味と話すのは準優勝した出射優月さん(3年)。同高校のコンピュータ部に所属していた出射さんの兄も第31回同大会で個人優勝をしており、兄弟での個人入賞を果たした。「将来はこの情報処理技術を使って、地域活性化の活動に携わってみたい」と語る。 3年の河野慶都さん、井上瑞基さん、佐渡伊緒理さんの3人も3位タイで見事に入賞を果たした。団体戦は2位の富山第一高等学校に大差をつけ優勝し、文部科学大臣賞に輝いた。
顧問の江見大宙教諭は「先輩と一緒に頑張ろう、というこの部の雰囲気が結果につながっている。先輩が今までしてもらったことを後輩に教えていくといういい流れができている」という。江見教諭は同部顧問の延原教諭の元教え子。延原教諭の「日本一強いクラブではなく、日本一いいクラブを作ろう」「情けは人の為ならず」という考え方にとても影響を受けたと話す。同部の日頃からあいさつや礼儀を重んじ、部員全員で切磋琢磨して練習に打ち込む雰囲気が連覇の結果を生み出している。
後列/井上瑞基さん、河野慶都さん、岩切隆さん、藤田美佐さん
前列/出射優月さん、佐渡伊緒理さん、松岡信さん、井上幸輝さん