編集記事

須磨区

落合中央公園 県大PARKLABO.

記事 落合中央公園 県大PARKLABO.のアイキャッチ画像

11月21日(日)「県大PARKLABO.」ゼミナール・シリーズⅠ「名谷と落合中央公園を掘り下げ、これからを構想する」全5回の2回目が開催された。

「県大PARKLABO.」は10月に兵庫県立大学の研究チーム(代表・同大学大学院緑環境景観マネジメント研究科 平田富士男教授)と神戸市が共同社会実験として、落合中央公園管理事務所(須磨区中落合)に来年1月末までの期間限定(予定)で開設。以前は喫茶店だったこともある管理事務所の一角を、有効活用できないかと考え、コロナ禍によるテレワークの必要性の高まりからテレワーク用のブースを設け市民に利用できるようにした。またコワーキングスペースとして、ブース利用者同士の交流もはかっている。

大学ならではの企画として市民向けワークショップ形式のゼミナールが、11月14日から12月11日までの土日に開催された。落合中央公園も名谷駅周辺の再整備の対象に含まれており、同園の今後のありかたを市民で考え神戸市へ提案することを目指すプログラムとなっている。同園のすぐ近く、中落合に住んでいるという参加者は参加理由を「身近な公園だけど知らないことが多く、池の周辺などは入れない場所もあり前から気になっていた」と話す。

まず1回目は同園の現状を調査し、園内で進む「ナラ枯れ」対策として、コナラのドングリを集め次世代の苗木を育てる活動を行なった。
取材日の2回目は「地質から名谷のまちのなりたちを知り、化石をさがしてみる」をテーマに行われた。この日の講師は同大学社会情報科学部の川向肇准教授。同園のある名谷ニュータウンは約3500万年前の地層である神戸層群が見られる場所。神戸にはかつて大きな湖があった。湖にたまった火山灰が固まり、凝灰岩が積み重なって出来た地層が神戸層群と呼ばれている。凝灰岩の中には化石化した植物の化石が見つかることが多く、ニュータウン造成当時はごろごろと化石が転がっていた。今は学術的に貴重な化石は既に採取されてしまっているというが、小さな化石なら散歩の最中にも簡単に見つけることができると話す。
前半は神戸層群の成り立ちなどの説明を聞き、後半は園内を出て近辺を歩き化石を探した。松尾小学校の向かいの崖では地層が露出した場所である露頭を観察することが出来、実際に化石を発見。川向准教授が石を手にしながら「黒い点が植物の化石です」と説明すると、参加者たちは興味津々な様子で熱心に見つめていた。川向准教授は「知らない人が見ればただの石ですが、知っている人からすれば宝石です」と笑顔で話した。凝灰岩は手で簡単に割れるほど脆く、あまり掘りすぎると斜面崩壊を招くこともあり注意が必要という説明もあった。落合中央公園の入り口には立派な木の化石「珪化木」があり、参加者たちは「これが化石だったとは」「何度も前を通っているのに気づかなかった」など口々に驚いてた。
竜が台在住の宮崎芳治さんは、50年近く前のまち開き当時に須磨ニュータウンに引っ越してきたというが、公園についてよく知らず「ちゃんと利用されているのかなと思っていた」ので、参加してみたと話した。
ゼミナールの3回目は園内の樹木に絡みつくツルを除去し、つるかごやリースを作成。4回目はかつて攝津と播磨の国境だった地区で、当時の名残を探した。5回目は今後の同園のありかたについて構想の発表。また、シリーズⅠ終了後は引き続いてシリーズⅡを開催予定。「構想を具体化するプランを考えてみる」というテーマでさらに学びを深めていく。

※HPより、ブースの空き情報を確認、予約申し込みが出来る。コチラ

カテゴリー