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「発達障がい体験講座~この子の世界に入ってみよう!~」 協同購入センター西神戸 組合集会所(西区玉津町)

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10月29日(金)神戸市立有瀬児童館、神戸市西区社会福祉協議会、コープこうべ第5地区本部の共催で「発達障がい体験講座~この子の世界に入ってみよう!~」が開催された。

当日の講師を務めた「NPO法人そらしど」は、2016年に障がい児の家族たちによって立ち上げられた。一人でも多くの人に発達障がいについて知ってもらえるように、体験型講座「そらしどキャラバン隊」やワークショップ、動作法実践講座などの活動を行っている。代表の藤原さおりさんは「子どもの成長ごと、年代ごとに『わからない』ことが出てきます。その度に試行錯誤しています」と話す。我が子の障がいを知ったとき「障がいについて知らない」「どうすればいいのかわからない」 「周囲からわかってもらえない」「親亡き後、子どもはどうなっていくのか?」など不安でいっぱいだったという。  発達障がい (自閉症スペクトラム症、学習障がい・限局性学習症、注意欠陥・多動症)は、生まれつきの脳の働き方の特性から日常生活に支障が起こっている状態で、人によってあらわれ方が違う。目で見て理解しやすい人や、視覚よりも耳から聞く方が理解しやすい人、抽象的な表現や言葉がわかりにくい人、感覚、感じ方の違い、想像力の違いやこだわりなどそれぞれ違う。障がいの特性を知ってもらい、周りに理解してもらうことで生きやすくなる。発達障がい当事者の手記や漫画、ドラマなどは障がいについて理解してもらう機会にもなっている。

今回の講座は障がいの特性を体験することで、相手を理解する近道になればという狙いで行われた。 「どんなふうに聞こえているのだろう?」聞いてみよう体験では、雑音の中スタッフ4人が同時にしゃべる内容を聞き取った。30人いる参加者の中で聞き分けが出来た人は1人もいなかった。聞こえているのに聞き取りにくい障がいのある人はいつも音の洪水の中にいる状態で、選択的注意がうまく働かないことからさまざまな音が耳に入ってくる。この体験から「聞こうとしても聞き取れない、しんどさを感じる、疲れる」との感想があった。

がんばってもうまく出来ない体験では、軍手を2枚重ねてはめて小さめの折り紙で鶴を折ってみる。思うように手が使えず、もどかしい。そんな時に頑張ってと言われると焦るし、イライラする。がんばっても、うまく出来ないときに「 がんばれ」はしんどい、つらいというのを参加者たちに実感してもらう。抽象的な表現がわかりにくい障がいがある人には、具体的にわかりやすく伝えることも大事。例えば「ちょっと待って」の「ちょっと」はどのくらいかわかりにくい。 「5分待って」と具体的に声掛けするとよいとアドバイスがあった。

児童デイサービスに勤務している西海恵子さん(西区)は「障がいの種類や特性について理解を深めました。日々の子どもたちとの関わりの中でヒントがたくさんありました」と話した。同僚の阿曽由里子さん(西区)は「うまくできないもどかしさや不安な気持ちを、受けとめて、その子その子にあった声かけが大事」と体験講座を振り返り感想を話した。

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