さん舞子神港園(垂水区五色山)貼り絵作り
さん舞子神港園(垂水区五色山)では入居者たちが、明石海峡大橋を臨み対岸の淡路島と海上を行き交う船を眺めながら、毎日季節折々の景色や風物の貼り絵作りを楽しんでいる。
作品の下絵描きは職員が手伝うが、その際も図案は季節感を大事にし、入居者達の会話からアイディアを取り入れるようにしているという。昨年秋に制作した「紅葉」は一番の大作で約150㎝×180㎝。入居者に呼びかけて、全員で紅葉の葉っぱを一枚一枚貼ったそう。コロナ禍で外出制限もあり、紅葉を見に行くことも叶わない中、本物に勝るに劣らずの出来栄えに施設の中で紅葉を楽しめると好評だった。
ほぼ毎日、貼り絵の作業を楽しんでいる林元子さんと柴元豊子さんはともに大正14年生まれ、同い年コンビで96歳。二人は「一つ出来上がったら、次は何の図案かな?と時間がたつのを忘れて手を動かしています。こうやって手を動かすのが、元気の素かな」と微笑む。二人とも若い頃は洋裁や小物作り、編み物が得意で、普段から身に着けるものは手作りしていたという。長年の作業で培われた色使いや細やかな感性が、貼り絵作りにも反映されているのではと、一緒に手伝う職員たちは話す。
「下絵は準備しますが、貼る紙の色合いや、紙のちぎり具合など、みなさんにお任せしています」と話し、色使いの上手さに職員たちも感心している。出来上がった作品は、施設の玄関や館内に展示され、入居者や職員たちの目を楽しませている。これからもさまざまな図案にチャレンジしたいと話した。
(左から)林元子さん、柴元豊子さん
「風にゆらぐ秋桜」
「ケアハウスから見える明石海峡大橋」