食都神戸DAY FARM to FORK 2021(須磨海岸)
10月30日(土)・31日(日)の両日、須磨海岸(須磨区須磨浦通)で「食都神戸DAY FARM to FORK 2021」が開催され、多くの来場者が訪れて盛り上がりを見せた。(主催/神戸市・食都神戸運営共同事業体)
山と海に囲まれた神戸市では北区・西区の農業地域や南部に広がる瀬戸内海などで豊かな農水産物が生産されている。政令指定都市でありながら、農漁業が盛んに行われており2015年より世界に注目される食文化の都「食都神戸」の構築を推進。10月と11月は 「神戸の食文化を考える月間」として地産地消を通じ農村と都市の 『心の距離』を近づけるイベント「FARM(農地)to FORK(食卓)」が2015年から毎年開催されている。7回目となる今年は「みんなで守り育てよう!神戸の海、山、田畑」をテーマに、初となる海辺での開催となった。
須磨海岸の遊歩道周辺には市内の農漁業者や店舗を中心に神戸産の野菜や果物、パン、スイーツのほか、服や雑貨など2日間で延べ68のブースが並び、カレーやチヂミなど飲食店は長い行列ができていた。トークライブでは神戸の山の麓に移住したという料理家の高山なおみさんが神戸の暮らしの楽しみなどを語った。ほかには神戸の農林漁業者を招いたトークや神戸ローカルミュージシャンによる音楽ライブ、絵本画家で神戸在住のスズキコージさんによるライブペインティングが披露された。砂浜ではフードエデュケーターの三上奈緒さんによる「火をかこむ地産地消の食事会」が催された。須磨の海で朝獲れのスズキや鯛、丹波篠山の鹿を六甲山の木でアーチを組んだ野外キッチンでダイナミックに焚き火で調理。神戸産のパプリカやサツマイモ、シシトウなどで色鮮やかなパエリアも作り事前予約の30人が自然の恵みを食した。
木製の打楽器「カホン」が作れるワークショップでは事前に申し込みをした11組が参加。材料は六甲山で伐採した間伐材が準備されており、ネジで取り付けながら組み立てた。スティールパンのレッスン仲間だという角田麻衣子さん(須磨区)と伊藤崇さん(西宮市)は「叩く位置や強さで音色が変わるのが魅力。カホンの音色を楽しみたい」と笑顔を見せた。
2日間とも秋晴れで汗ばむほどの陽気となり、砂浜では須磨の海を目の前にビーチヨガが開かれ、海ではカヌー体験も行われて太陽光を全身に浴びながら楽しむ姿が見られた。家族連れやペット連れの来場者も多く、砂浜で遊んだり海辺で思い思いの時間を過ごしていた。神戸市経済観光局食都神戸担当の佐野暢子さんは「生産者の顔が見えるマーケットで消費者との距離を縮め、神戸産に愛着を持ってもらいたい。神戸の農林漁業を体感して楽しみながら学べる機会を増やしていきたいです」と語った。